[P28-01] radiant flowを重症心疾患の胎児スクリーニングに生かす
Keywords:radiant flow, COA, TAPVD
背景:重症心疾患の胎児診断率は近年急速に向上している。しかしながら、大動脈縮窄症(COA)や単独の総肺静脈還流異常(TAPVD)の胎児診断率はいまだ低率にとどまっており、大きな課題として残されている。これらの疾患のスクリーニング率向上のためには、スクリーニング技術の向上普及とともに、超音波機器の進歩、特に、カラードプラ・パワードプラの改良、新技術の登場が待たれている。今回、カラードプラ・パワードプラの新技術であるradiant flowが新しく実用化された。radiant flowをCOAやTAPVDの胎児診断へどのように応用できるかを検討した。対象:正常例30例(20~40週),単独のTAPDVD2例、大動脈縮窄複合3例を対象とした方法:カラードプラおよびHDフローを通常モードとradiant flow モードで比較検討した。結果:1) 通常モードでは大動脈峡部は断層エコーより拡大して描出されたが、radiant flow モードでは、狭窄部が断層エコーとほぼ同じ大きさに描出された。また、大動脈峡部の中央部が立体的に描出されることで観察が容易であった2)通常モードでは共通肺静脈と心房の境界部が明確に分離されなかったが、radiant flow モードではより明瞭に分離された。また、共通肺静脈の中央部が立体的に描出されることで観察が容易であった。考案: radiant flow モードでは通常のカラードプラ、パワードプラに比べてブルーミングの程度が非常に少ない。また、血流を立体的に観察できる特徴がある。このような特徴は、TAPVDやCOAの胎児スクリーニングに有用である可能性がある限界:抄録作成の段階では症例が非常に少ない。発表までに症例を追加して多数例で検討する予定である。結語:新しく実用化されたradiant flowは現在のカラー・パワードプラでスクリーニングの困難なCOAやTAPVDの胎児スクリーニングに役立つ可能性がある。