The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

胎児心臓病学

ポスターセッション28(P28)
胎児心臓病学 2

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:前野 泰樹(聖マリア病院 新生児科)

[P28-02] 胎児期にBorderline LVと診断された症例の臨床像

三宅 啓1, 北野 正尚1, 藤本 一途1, 帆足 孝也2, 市川 肇2, 吉松 淳3, 白石 公1, 黒嵜 健一1 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 2.国立循環器病研究センター 小児心臓外科, 3.国立循環器病研究センター 周産期婦人科)

Keywords:borderline LV, 胎児心臓超音波検査, 左心低形成

【はじめに】胎児期に小さめな左室を認めた場合、生直後から左室の発育を速やかに認め二心室循環が成立する群からvariant HLHSの疾患群まで幅広い。胎児期にBorderline LVと診断された症例の臨床像を検討した。【対象と方法】胎児心臓超音波検査にてBorderline LVと診断された症例を対象とした。診療録より後方視的に検討。検討項目は検査週数、胎児診断、左室拡張期径、大動脈弁、僧帽弁などのZ score、胎児期の測定値を二心室循環群(2VC)と1心室循環群(1VC)で比較。出生後の患者背景、生直後および生後1週、乳児期の左室拡張末期径、僧帽弁輪径でのZ scoreの経過を検討した。【結果】対象は15例、検査週数は中央値34週、胎児診断は全例にBorderline sized LVを認め、重複を含めCoA疑いが11例、PLSVCが5例、restrictive FOが4例、vASを認めた例は4例。VSDは全例に認めなかった。上行大動脈は全例で順行性血流を認めた。出生体重は中央値39週(範囲37~41週)、出生体重は2751±456g、生後診断はCoA8例、partial AVSD1例、variant HLHS3例であった。僧帽弁下構造異常(単一乳頭筋、腱索異常) は6例に認めた。1VC群は4例と2VC群は11例であった。それぞれの胎児期の拡張末期左室径-3.4±0.5 と-6.6±1.4、大動脈弁輪径-1.2±1.1 と-4.2±0.9 僧帽弁輪径-3.1±0.7と-5.7±0.9で有意差(P<0.05)を認めた。2VC例では生後1週での左室拡張末期径-1.3±1.5、僧帽弁輪径-1.4±0.9から乳児期には、左室拡張末期径0.1±1.1、僧帽弁輪径-0.9±0.9と発育を認め、1VC例では生後1週での左室拡張末期径-6.7±3.5、僧帽弁輪径-4.9±2.7から乳児期には、左室拡張末期径-7.0±4.1、僧帽弁輪径-5.1±3.1と左室の縮小を認めた。死亡例は1例であった。【総括】胎児期のLV径 z scoreが-5以下の例では二心室循環に至った例は認めなかった。-5<Z score<-4例でも僧帽弁下構造異常を認めた例ではその後の左室発育は不良で二心室修復に至らなかった。