The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

胎児心臓病学

ポスターセッション28(P28)
胎児心臓病学 2

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:前野 泰樹(聖マリア病院 新生児科)

[P28-04] 胎児徐脈を伴う多脾症胎児診断例の管理

佐々木 理, 藤本 隆憲, 佐々木 大輔, 阿部 二郎, 泉 岳, 山澤 弘州, 武田 充人 (北海道大学 医学部 小児科)

Keywords:多脾症, 胎児徐脈, 胎児水腫

【背景】胎児徐脈を合併した多脾症は予後不良である。母体入院および娩出の適応は、体外治療と胎内で成育させるメリットを比較し検討するが、判断は難しい。【目的】胎児徐脈を合併した多脾症の適切な妊娠管理方法を見出す。【方法】当院で経験した胎児徐脈を診断され出生直後にペースメーカー留置(PMI)を要した多脾症4例の臨床経過を後方視的に検討した。【症例1】20週に胎児心拍(FHR)90bpmの洞性徐脈(SB)で胎児胸腹水を認めた。25週で2度AVBを合併しFHR60bpm、徐々に胎児腹水が増悪、27週胎児皮下浮腫を認め、28週にC/Sにて1262gで出生。ECDと診断。生直後にPMIも循環不全のため6時間で死亡。【症例2】28週ではFHR100bpmのSBで胎児胸腹水を認めなかったが、31週再診時FHR49bpmのSBで胎児胸腹水、皮下浮腫を認め、C/Sにて1952gで出生。ECD、TAC、総動脈幹弁狭窄と診断。生直後にPMIも、循環不全、腎不全のため日齢20に死亡。【症例3】20週にFHR50bpmのSBだったが胎児胸腹水を認めず、34週にFHR30bpmのCAVBとなった直後に胎児皮下浮腫が出現し、35週にC/Sにて2806gで出生。ECD、LVOTSと診断。生直後にPMIし循環成立したが、LVOTSが進行し日齢10に心内修復術施行。術後多臓器不全となり日齢28で死亡。【症例4】26週にFHR60bpmのAVBで胎児胸腹水を認めず、37週予定C/Sにて2976gで出生。ECD、DORV、PSと診断。生後にPMIし循環は成立した。月齢2胆道閉鎖症手術後に菌血症となり月齢3で死亡。【考察】当院では胎児皮下浮腫を娩出適応としており、AVBでも徐脈の進行がなければ胎児皮下浮腫を認めなかった一方で、SBでもFHR低下や、AVBの合併により急激に胎児皮下浮腫が進行していた。PMI後に循環成立した症例3,4に比べ、症例1は早産、症例2は胎児皮下浮腫の期間が長かったと考えられる。【まとめ】胎児不整脈の細かい経時的評価により胎児皮下浮腫の出現を予見できれば、適切な娩出時期を判断できる可能性がある。