The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

胎児心臓病学

ポスターセッション28(P28)
胎児心臓病学 2

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:前野 泰樹(聖マリア病院 新生児科)

[P28-05] 胎児心エコーを施行した18トリソミーの現状と問題点

林 知宏, 森 秀洋, 河本 敦, 上田 和利, 荻野 佳代, 脇 研自, 新垣 義夫 (倉敷中央病院小児科)

Keywords:胎児心疾患, 18トリソミー, 胎児診断

【背景】18トリソミーにおける治療介入は、家族と医療スタッフ間で十分に話し合われる必要があるが、出生早期に侵襲的治療の検討を要する場合があり、胎児期からの話し合いが望まれる例もある。【目的】胎児心エコーを施行した18トリソミー例の現状と問題点を検討すること【対象・方法】2017年までの12年間に当科で診断した胎児心疾患86例を診療録より後方視的に検討。【結果】86例中、18トリソミーの合併例は12例(13.9%)。胎児心エコーの施行週数は29.0±3.6週。心疾患の内訳はVSD 3例、UVH 3例、HLHS variant 3例、CoA 1例、DORV 1例、TOF 1例。VSDの1例は卵円孔早期閉鎖のみの診断で、VSDを胎児診断できていなかった。全例が子宮内胎児発育遅延(IUGR)であった。胎内で染色体異常が疑われたのは12例中8例(75.0%)で、理由はそれぞれIUGRに加えて、心奇形3例、多発奇形3例(心奇形含む)、羊水過多1例、クアトロテスト陽性1例であった。羊水検査を3例で施行し、胎内で18トリソミーと確定診断した。4例は羊水検査の希望がなく、1例は適応禁忌であった。胎内で染色体異常を疑われなかった12例中3例(25.0%)は、心外奇形を指摘されていなかった2例と、胎内診断されなかったVSD 1例であった。生存期間は2日~4年1か月(中央値5ヵ月)、胎内死亡1例。2例は現在も生存(16.6%)。2例で胎児心エコー施行後に産科・新生児科・外科・遺伝科・臨床心理士・NICU看護師・助産師・MSWと連携して情報共有した上で、家族と出生後治療に関する話し合いを行った。2例ともに積極的加療を希望され、それぞれ8ヵ月、4年1ヵ月の生存が得られている。【考察】18トリソミーは胎児心疾患の14%を占めていたが、その内25%が胎内で染色体異常が疑われていなかった。IUGRを伴う胎児心疾患例では、染色体異常の可能性を常に念頭におく必要がある。胎児診断例では多職種と連携した家族へのサポートが重要である。