[P31-03] 出生体重2000g未満に施行された肺動脈絞扼術の臨床的特徴について
キーワード:低出生体重児, 肺動脈絞扼術, 染色体異常
【始めに】周産期医療の進歩により低出生体重児の生存率は向上してきている。しかし、先天性心疾患をともなった低出生体重児の管理にはいまだ多くの困難がともなっている。今回、出生体重2000g未満の児に肺動脈絞扼術(PAB)を施行した児の臨床像を検討し今後の課題について検討したので報告する。【対象】2004年1月以降に出生体重2000g未満で当院において主肺動脈絞扼術を施行した17例(在胎週数中央値34週3日(25週6日~38週3日、出生体重1744g(1052~1986g)【結果】手術時日齢中央値27(8~91)、手術時体重中央値1970g(889~3920g)手術時体重2000g以上7例、1500~2000g5例、1500g未満5例、疾患の内訳はAVSD 3例、VSD単独5例、VSD兼PDA 4例、大動脈弓異常2例、その他1例であった。染色体異常あり7例、染色体異常なし10例。術式は、PAB単独9例、PABとPDA ligation 6例、大動脈弓形成術とPAB 2例であった。予後は、入院中死亡1例(18トリソミー)、退院後死亡2例(18トリソミー1例、21トリソミー1例)であった。banding径(y mm)(中央値19mm(12~21mm))は手術時体重(x g)と有意な相関関係があり、y=12.9+0.00243x (r=0.75, p<0.01)であった。【結語】低出生体重児に対するPABは染色体異常をともなわない例では予後良好であった。死亡例では出生体重や手術時体重に関係なく染色体異常例であった。PABは低出生体重児でも適切な時期におこなえば安全に施行できると考えられた。