ポスターセッション35（P35）
画像診断 2

[P35-04] MDCT 3D画像再構成の新たな可能性 -心内構造を観る-

^○伊吹 圭二郎¹, 大山 伸雄¹, 山口 英貴¹, 佐々木 赳¹, 樽井 俊¹, 柿本 久子¹, 藤井 隆成¹, 宮原 義典¹, 石野 幸三¹, 富田 英¹, 曽我 恭司² (1.昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター, 2.昭和大学横浜市北部病院)

Keywords:MDCT, 心内構造, VSD

【背景】Multidetector-row computed tomography(MDCT)の3D再構成画像は、主に大血管や冠動脈など血管病変の立体構造の把握に有用であるが、CT自体の性能の向上により、より鮮明な心内構造の描出が可能となってきている。【目的】心内構造評価におけるMDCTの新たな可能性を検討する。【方法】心内構造の描出を目的としてMDCTを施行し、3D再構成画像を作成した7症例について、治療方針や診断への影響を検討した。全例でミダゾラム静脈注射による鎮静を行い、画像はSiemens社SOMATOM Definition Flash Dual source CTで撮影したボリュームデータを元にZiostation2で作成した。【結果】7例の年齢と体重の中央値はそれぞれ1.2歳(日齢23－4歳0ヶ月)、9.2kg(2.1kg－10.0kg)。心内reroutingを要する症例が4例(R群; TGA3型 2例、CCTGA 2例)、VSD閉鎖を要する症例が3例(V群; multiple VSD 1例、 inlet muscular VSD 1例、CoA complex 1例)。R群はVSDの位置とLV-Aoの仮想rerouting imageを作成した。2例はLV-Aoルートが大きくなりすぎること、1例は室上稜がLV-Ao ルートを妨げることから心内rerouting不可と判断した。1例はVSDとAO位置関係良好でRastelli手術待機中である。V群のうち、1例はmuscular VSDの位置と形態からsandwich法による閉鎖可能、1例はSwiss cheese typeのmuscular VSDが複数部位に存在し、心内修復術は延期した。7例中5例で、心内構造の3D再構成画像が治療方針の決定に有益な情報となり、全例でVSDの正確な部位診断やrerouting imageの作成に耐えうる画像を得ることが出来た。【まとめ】MDCTによる3D再構成画像により、複雑な先天性心疾患の心内解剖も容易に可視化することが可能であり、既存の検査に加えることでより良い手術イメージの構築、治療方針や診断の決定に有用である。