[P37-01] MRIを用いた三尖弁輪収縮期移動距離の検討
キーワード:TAPSE, MRI, 心尖
【背景】先天性心疾患のみならず、左心不全においても右室機能の重要性が明らかにされている。しかし、形態の複雑さから右室機能評価は難しく、右室機能の簡便有用な指標の確立とその検証が要請されている。
【方法】対象は、当施設にて心臓MRI検査(cMR)が行なわれた二心室循環の37症例(中央値12.3歳)。cMR四腔断面で、三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)を計測し、体格依存性を補正するため、四腔断面拡張期右室長軸径 (RVDd)で除してcTAPSEを求めた。四腔断面収縮期右室長軸径(RVDs)を計測し、長軸方向の短縮率(RV-LFS)を求めた。右室駆出率(RVEF)はSimpson法で求め、各々と比較した。
【結果】cTAPSEはRVEFとの関連が弱い(R=0.29, P=0.08)のに対し、RV-LFSはRVEFと良好に相関した(R=0.57, P=0.0002)。心周期で心尖が完全に固定されていればcTAPSEとRV-LFSは等しいが、cTAPSE>RV-LFSが7名に(19%)、cTAPSE<RV-LFSが29名に(78%)認められた。これらの相違に心電図上の右脚ブロックの存在の影響は認められなかった。
【結論】心周期を通じて右室心尖部は固定されておらず、有意な移動を認めた。右室心尖は多くの症例で収縮期に三尖弁輪方向に、一部の症例で反対方向に動くことで、cTAPSEとRV-LFSは乖離した。RV-EFと相関する指標としては、RV-LFSが優れる。RVEFと関連しないcTAPSEの意義についてはさらなる検討が必要である。
【方法】対象は、当施設にて心臓MRI検査(cMR)が行なわれた二心室循環の37症例(中央値12.3歳)。cMR四腔断面で、三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)を計測し、体格依存性を補正するため、四腔断面拡張期右室長軸径 (RVDd)で除してcTAPSEを求めた。四腔断面収縮期右室長軸径(RVDs)を計測し、長軸方向の短縮率(RV-LFS)を求めた。右室駆出率(RVEF)はSimpson法で求め、各々と比較した。
【結果】cTAPSEはRVEFとの関連が弱い(R=0.29, P=0.08)のに対し、RV-LFSはRVEFと良好に相関した(R=0.57, P=0.0002)。心周期で心尖が完全に固定されていればcTAPSEとRV-LFSは等しいが、cTAPSE>RV-LFSが7名に(19%)、cTAPSE<RV-LFSが29名に(78%)認められた。これらの相違に心電図上の右脚ブロックの存在の影響は認められなかった。
【結論】心周期を通じて右室心尖部は固定されておらず、有意な移動を認めた。右室心尖は多くの症例で収縮期に三尖弁輪方向に、一部の症例で反対方向に動くことで、cTAPSEとRV-LFSは乖離した。RV-EFと相関する指標としては、RV-LFSが優れる。RVEFと関連しないcTAPSEの意義についてはさらなる検討が必要である。