[P37-02] 小児における非侵襲的な中心血圧測定法の妥当性(Mobil-O-Graphを用いて)
キーワード:中心血圧, Mobil-O-Graph, 小児
【目的】中心血圧測定のgold standardはカテーテルを直接動脈内に留置することで得られる侵襲的な測定方法である。近年、そのデータを基に様々な非侵襲的な方法が開発されているが、小児において非侵襲的な中心血圧測定法が有用かどうかの検討は十分に行われていない。本研究の目的は小児の中心血圧測定において非侵襲的に得られた測定値の妥当性を検討することである。【方法】対象は当院でカテーテル検査を施行した体重が10kg以上の症例12人。カテーテルで上行大動脈圧(中心血圧)を測定時にMobil-O-Graph(I.E.M)を用いて上腕血圧波形の脈波解析から得られる推定中心血圧を計測した。カテーテルで侵襲的に得られた中心血圧の値と非侵襲的に得られた推定中心血圧の値を比較検討した。本研究は当院の倫理審査委員会の承認を得ている。【結果】対象は平均年齢9.5歳(3‐18歳)、男児4例女児8例、大動脈修復術後の症例および動脈管開存症・大動脈弁逆流症の症例は除外した。全例、静脈麻酔と局所麻酔で検査が行われた(全身麻酔の症例なし)。中心血圧の収縮期圧は94.5 ± 11.2 mmHg(侵襲的測定値)vs 92.2 ± 11.8 mmHg(非侵襲的測定値)でr=0.87と相関を認めた。Bland-Altman analysesでのmean differences (95% limits of agreement) は 2.3 ± 11.7 mmHgだった。【結論】小児においても非侵襲的な中心血圧測定は有用であると考えられた。今後、症例数を増やして妥当性及びその意義をさらに検討していきたい。