[P38-01] unbalanced AVSDにおける外科的治療の検討
Keywords:AVSD, surgical, unbalanced
【背景】AVSDは21 trisomyの頻度が高い。その中に左右一方の心室低形成を伴うもの(unbalanced AVSD, uAVSD)があり、二心室修復困難なことが多く、one and one half ventricular repairやFontan型手術を目標とせざるを得ない。Glenn,Fontan循環の成立には低い肺血管抵抗が要求されるが、21 trisomyではPHが進行し、手術不適応となる場合がある。当院で経験したuAVSDの4例について検討を行った。【対象】2004年以降に外科的治療を行った、complete AVSD 20例のうち、uAVSDと判断した4例(男:女 1:3)を対象とした。21 trisomy: 3例、CoA合併: 3例であり、RV dominant: 3 (LVEDV 40-88%N), LV dominant: 1 (RVEDV 68%N)であった。経過期間は1年4ヵ月-7年11ヵ月(平均4年3ヵ月)であった。【結果】非21 trisomyの1例は、4生日にCoA repair+PAB、1歳6ヵ月にBDG、3歳にEC-TCPCを行い、経過良好(CVP:13)である。21 trisomyは、全例にPABを行い(1生日-1ヵ月)、CoA合併例は同時にCoA repairを行った。1例は1歳4ヵ月現在SpO2 81%でBDG待機中である。1例は低酸素血症が進行し、11ヵ月にRV-PA shuntを行った。2例にBDGを行い(2歳1ヵ月,2歳2ヵ月)、additional flowを残した。1 例は左肺動脈狭窄により低酸素血症が進行し、術後9ヵ月に肺動脈形成を行い、additional flowは閉鎖した。肺生検では、左肺の肺小動脈の中膜に肥厚を認め、Fontan手術適応外と判断した。HOT導入し、ベラプロストを内服したが、SpO2は上昇せず、肺炎・気管支炎を繰り返し、7歳11ヵ月に肺炎にて死亡した。他の1例も肺炎・気管支炎を繰り返し、HOT導入下で経過観察している。周術期合併症は1例で、CoA,21 trisomyの1例で術後NECのためストーマ造設→結腸切除を施行した。【結語】2心室修復困難なuAVSD症例に対して、外科的介入を行った4例を経験した。21 trisomyに合併したuAVSDは予後不良であり、治療方針、介入時期の決定には十分な検討が必要である。