The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

外科治療

ポスターセッション38(P38)
外科治療 4

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:小澤 司(東邦大学医療センター 大森病院循環器センター心臓血管外科)

[P38-04] 3弁作成した幼児期肺動脈弁形成術

石丸 和彦1, 金谷 知潤1, 小栗 真人2, 中村 常之2 (1.金沢医科大学病院 小児心臓血管外科, 2.金沢医科大学病院 小児循環器内科)

Keywords:肺動脈弁閉鎖不全, 弁形成術, 幼児期

先天性心疾患術後の高度肺動脈弁閉鎖不全(PR)に対して、生体弁による肺動脈弁置換術が施行されることが多いが、小児においては弁構造の早期劣化、size mismatchなどの問題がある。今回幼児期高度PR症例に対し、肺動脈弁形成術を施行したので報告する。(症例)症例1は4歳女児、体重13.6kg。ファロー四徴症、右側大動脈弓、右冠動脈起始異常症例で、両側BT shunt施行後2歳時に1弁付きtransannular patch(TAP)を使用した心内修復術を施行された。術直後からPR ならびに三尖弁閉鎖不全を認め、両弁逆流進行による右室拡大、労作時呼吸困難、不整脈が出現、手術の方針となった。三尖弁形成後TAPを切開、前回手術で作成された1弁は開放位固定し、残存した自己肺動脈弁は退縮、菲薄化していた。自己肺動脈弁を切除後、右冠動脈が近接するため右室流出路(RVOT)径を18mmとしてRVOT前後周径をそれぞれ計測、0.1mm Gore-Tex membraneで連続する3弁を作成した。流出路後壁側に小さい2弁を縫着後、折り返して前壁側に大きな1弁を右室切開部心内膜側に縫着、各交連部を形成後RVOT前壁は0.4mm Gore-Tex patchで形成した。症例2は6歳男児、体重16kg。大動脈縮窄複合に対し、生後9日に大動脈再建術、肺動脈絞扼術を施行後、生後6か月時に漏斗部欠損型心室中隔欠損(VSD)閉鎖術を施行された。術直後からPRを認め、PR増強による右室拡大のため手術の方針となった。左半月弁は正常形態、右半月弁はVSD patchに癒着し可動性が低下、前半月弁は高度退縮し、肺動脈弁輪径は18mmであった。すべての弁尖を慎重に切除し、各交連間距離ならびに交連の高さを測定、計測値をもとに0.1mm Gore-Tex membraneでそれぞれ3弁作成、各弁尖のremnantに縫着後各交連を形成した。術後経過は良好で、術後心エコー検査では両症例ともPR trivialで経過。(まとめ)幼児期高度PRを呈した2症例に対し、異なる手技で3弁を作成した肺動脈弁形成術を施行した。