The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

ポスターセッション

外科治療

ポスターセッション39(P39)
外科治療 5

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:小谷 恭弘(岡山大学 心臓血管外科)

[P39-05] 心房中隔欠損症治療前後の心室エネルギー効率の変化~外科治療とカテーテル治療の比較~

岩屋 悠生1, 宗内 淳1, 川口 直樹1, 白水 優光1, 岡田 清吾1, 飯田 千晶1, 杉谷 雄一郎1, 渡邉 まみ江1, 落合 由恵2, 安東 勇介2, 宮城 ちひろ2 (1.九州病院 小児科, 2.九州病院 心臓血管外科)

Keywords:心房中隔欠損症, カテーテル治療, 心室エネルギー効率

【目的】心房中隔欠損症(ASD)閉鎖前後における心室エネルギー効率の変化が外科治療とカテーテル治療で異なるかどうかを検討した.
【対象と方法】2007~2017年の外科閉鎖32例とカテーテル治療77例を対象とした.閉鎖前と閉鎖1週間後における心室収縮末期エラスタンス(Ees),動脈有効エラスタンス(Ea)および心室エネルギー効率(SW/PVA)を,心エコー図検査から得られた左室容量とマンシェット体血圧から概算した.
【結果】外科治療群とカテーテル治療群における治療時年齢,性別(女)はそれぞれ9(6-17)歳vs 10(6-16)(p=0.21),49 vs 15(p=0.14)であった.欠損孔径,体肺血流比,左室拡張末期容積はそれぞれ19.3(6.4-32.5)vs 9.5(3.3-24.0)mm(p<0.001),3.35(1.70-5.30)vs 1.74(0.43-4.17)(p<0.001),39.7(21.8-97.1)vs 50.5(25.2-86.4)ml(p<0.001)と外科治療群がより重症であった.外科治療群では治療前後においてEes [7.79(3.98-12.43)→7.35(3.39-19.24)mmHg/ml, p=0.8],Ea[4.85(1.42-9.30)→3.65(0.93-11.45)mmHg/ml, p=0.12]は変化がなかったが, SW/PVA[75(66-88)→81(66-88)%, p=0.0045]は治療後増加した.一方,カテーテル治療群ではEes[4.65(0.56-15.29)→9.98(4.03-19.40)mmHg/ml, p<0.001],Ea[2.28(0.21-8.96)→ 4.35(1.00-12.65)mmHg/ml, p<0.001] と治療後に増加がみられ,SW/PVA[80(67-89)→82(70-92)%, p=0.0260]も増加した.またカテーテル治療群のうち体肺血流比が外科治療群に一致するものを抽出した群で検討した場合も, SW/PVA[77(68-87)→83(75-92)%, p=0.0329]は治療後増加した.
【考察】心室エネルギー効率の面から見たASD閉鎖治療の効果は,外科治療とカテーテル治療とで変わりはなかった.