The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

外科治療

ポスターセッション40(P40)
外科治療 6

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:大嶋 義博(兵庫県立こども病院 心臓血管外科)

[P40-02] 小児心房中隔欠損閉鎖術の外科的アプローチ:側開胸と正中切開の比較

上田 仁美, 佐々木 孝, 鈴木 憲治, 新田 隆 (日本医科大学付属病院心臓血管外科)

Keywords:ASD, 右側開胸, 正中切開

【背景】当院では正中切開もしくは右側開胸で小児心房中隔欠損の外科的閉鎖を行ってきた。今回両アプローチでの臨床経過の違いを後方視的に分析した。【対象と方法】2000年から2017年に行った小児単独心房中隔欠損閉鎖術29例を、アプローチにより右側開胸群(RT、13例)、正中切開群(MS、16例)に分類した。術前評価、手術所見、術後経過につき両群で比較検討を行った。【結果】年齢に差はないが(RT:6.6±4.8、MS:6.2±4.3歳、p= 0.8)、RTで女児が多かった(RT:11、MS:6例、p= 0.02)。術前心臓カテーテル検査では、欠損孔径(RT:14±6、MS:17±5mm、p=0.28)、体肺血流比(RT:2.5±0.6、MS:2.6±1、p=0.69)、肺血管抵抗値(RT:1.2±0.4、MS:1.7±1.5、p=0.24)、肺動脈圧(RT:29±6、MS:34±17 mmHg、p=0.31)に差はなかった。人工心肺時間(RT:71±36、MS:56±16分、p=0.16)、大動脈遮断時間(RT:29±16、MS:29±9分、p=0.94)に差はないが、手術時間はRTで有意に長かった(RT:259±75、MS:184±30分、p= 0.001)。輸血使用(RT:2、MS:3例、p=1)、挿管時間(RT:3±2、MS:5±6時間、p=0.17)、ICU滞在期間(RT:1、MS:1.1±0.3日、p=0.38)、ドレーン挿入期間(RT:1.8±0.5、MS:1.6±0.8日、p=0.48)に差はなかった。入院期間はRTで有意に短かった(RT:6±2、MS:12±8日、p= 0.016)。合併症はRTでは認めなかったが、MSで気胸2例(p= 0.49)、心嚢液貯留1例 (p= 1)、創部感染2例 (p= 0.49)を認めた。【結語】側開胸アプローチは女児に多く行われた。手術時間は側開胸群で長いが大動脈遮断時間に差はなく、側開胸からの視野展開や人工心肺装着に時間を要したものと考えた。術後経過、合併症の頻度に差はないが入院日数は側開胸群で短く、側開胸アプローチが正中切開より術後の回復が早いことが示唆された。