The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション41(P41)
電気生理学・不整脈 3

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:豊原 啓子(東京女子医科大学 循環器小児科)

[P41-04] 生後早期に血行動態に影響を及ぼした単形性持続性心室頻拍の1例

井手 水紀1, 岸本 慎太郎1,2, 前田 靖人1, 鍵山 慶之1, 籠手田 雄介1, 前野 泰樹1, 須田 憲治1 (1.久留米大学 医学部 小児科, 2.大分こども病院 小児科)

Keywords:症候性心室頻拍, 新生児, 治療方針

双胎第1子。第2子に仮死や不整脈なし。在胎25週より当院入院、リトドリンで子宮収縮抑制。27週より180bpm前後、short VAの頻拍出現。リトドリンの影響を考え、硫酸Mgに変更すると頻拍頻度減少。胎児水腫なし。器質的心疾患なし。34週、選択帝王切開で出生。体重1738g、NICU入院。入院時心12誘導心電図(ECG)136bpm、洞調律。日齢1、心エコーで左室壁の収縮非同期を認め、HR140bpm前後で変動性あったが、ECG施行、short Rp、QRS波は洞調律と違った。ATP投与でP波消失、QRS波は頻拍のまま持続。cardioversionで頻拍一瞬停止もすぐ再発。右室流入路起源単形性持続性slow VT(鑑別:促進型心室固有調律)と診断。心電図モニターを見返すと入院直後は洞調律だったがすぐにslow VTが発生・持続していた。まずは抗不整脈薬使用せず全身管理を行う方針とし、呼吸障害に対し気管内挿管・鎮静を行った。挿管後から一旦はVT停止。しかし日齢5、抜管後よりslow VT再発・持続、乳酸値上昇も認め、bisoprolol開始。内服開始後乳酸値は低下。日齢14のホルターではVT頻度は1日総心拍数の43%、概ね140bpm前後、啼泣時はVT最速190bpmに達するが顔色不良等エピソードなし。抗不整脈薬投与について苦慮したが、バイタル・全身状態は保たれており、引き続き同量のbisoprololのみで経過観察する事とした。その後、VT頻度は日齢27に11%、日齢59に7%と著減。NT-proBNP(pg/ml)も日齢13 に2351、日齢21に 945、日齢59に527.5と減少。現在外来観察中。【結語】生後早期に血行動態に影響を及ぼした単形性持続性VTを経験した。治療について苦慮したが、β遮断薬内服のみを行った。経時的にVT減少、血行動態への明らかな影響は消失。