[P41-06] 学校心臓検診やホルター心電図で診断できず運動負荷心電図で診断できた非通常型房室結節回帰性頻拍の13歳男子例
キーワード:AVNRT, ablation, uncommon
症例:13歳男子.学校心臓検診では異常の指摘はなかったが、野球部の激しい運動に限定的した数分間継続する動悸があり、頻度が増える傾向があった。そのため、本人が近医受診し24時間心電図を施行したが発作は検出できず当院受診された。運動後に限定しているため運動負荷心電図を行い負荷1分後にnarrow QRS tachycardiaが誘発された。左軸,左脚ブ.ロック型のwide WRSから周期280msec,II,III,aVF誘導で陰性P波を示すlong R-P'型narrow QRS tachycardiaに移行する頻拍の治療のため2回のカテーテルアブレーションを行った。冠静脈洞の後中隔と、下部を焼灼したが、やはり運動後に限定した動悸症状がありイベントレコーダーで再発を診断された。3日目のセッションを行った。数回におよび同部位を焼灼したが頻拍は誘発され、心房中隔穿刺を行い頻拍中の左心房の最早期心房波を認める部位を焼灼したところ、誘発される頻拍のII,III,aVfの心房波のシークエンスが変化した。その後右房側からCARTOの左房焼灼部位と完全に体側である冠静脈洞の中中隔を焼灼したところ頻拍は誘発されなくなった。以降全く頻拍は日常生活で誘発されなくなった。総括:left word室房伝導を介するslow pathwayに関連した非通常型AVNRTであった。頻拍中の最早期心房波を精密に追った結果、左房側の焼灼後、対側の冠静脈洞の中中隔が最早期部位であり、同部位を焼灼して停止した。両側心房からの治療を要した稀なAVNRTであった。