The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション42(P42)
電気生理学・不整脈 4

Fri. Jul 6, 2018 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:泉 岳(北海道大学 小児科)

[P42-02] 1:1室房伝導を伴う胎児期心室頻拍から生後一過性完全房室ブロックに至った1例

白水 優光, 宗内 淳, 川口 直樹, 飯田 千晶, 岡田 清吾, 杉谷 雄一郎, 渡邉 まみ江, 城尾 邦隆 (九州病院 小児科)

Keywords:胎児頻拍, Purkinje, 完全房室ブロック

【背景】基礎疾患のない胎児心室頻拍は稀である。また、室房伝導を有する完全房室ブロックの報告は僅かに見られるが、その機序は不明であり、胎児心室頻拍との合併例は見られない。【症例】母体は妊娠39週2日の妊婦健診で異常の指摘はなかった。翌日に胎動減少の自覚から近医産科を受診し、胎児心エコーで頻拍(心拍数180bpm、1:1房室伝導)及び腔水症を指摘された。胎児心不全・胎児水腫と診断し、同日緊急帝王切開により児が出生した。出生体重3130g、出生後より呼吸障害があり、直ちに気管内挿管を行い新生児室へ入院した。心電図では心拍数180bpm、左軸偏位、右脚ブロック型の幅広いQRS波の頻拍であった。1:1室房伝導があり、ATP投与により房室解離が出現し、心室頻拍と診断した。リドカインは無効であり、除細動(4J)により頻拍は頓挫したものの、完全房室ブロック(心室補充調律 80bpm)となった。血圧は維持され(左室駆出率45%)、カテコラミン投与を行い慎重に経過観察した。抗不整脈薬は使用しなかった。生後15時間より正常洞調律となり(140bpm)、房室ブロックは間欠的となり、生後2日目には消失し、再発はなかった。生後7日目には左室駆出率60%へ回復し、生後1か月で自宅退院した。家族例・母体服薬・感染歴はなく、胎盤ウイルスPCR検査も陰性であった。【考察】His-Purkinjeを介する特発性心室頻拍が考えられ、リエントリー回路内にVerapamil感受性を有する特殊Purkinje線維を含むとされる。また、Verapamil過剰投与により室房伝導を伴う完全房室ブロックを来たした成人例の報告が見られる。本症例において、心室内の刺激伝導系におけるCaチャネルの関与を推察する。