[P42-05] 突如の完全房室ブロックのため、ペースメーカーを留置して救命した18トリソミーの第一例
Keywords:18トリソミー, ペースメーカー, 完全房室ブロック
【背景】18トリソミー(T18)の児は、原因不明の突然死があり得る。これまで完全房室ブロック(CAVB)を発症したT18の報告は見当たらない。突如CAVBを呈し、ペースメーカー留置(PMI)にて救命したT18の第一例を報告する。
【症例】1歳4か月、女児。18トリソミー、食道閉鎖(Gross type A)、臍帯ヘルニア、DORV、心室中隔欠損と胎児診断されていた。在胎36週6日、体重1688g、Apgar score 1分4点・5分8点にて出生し、当院NICUに入院した。肺動脈弁狭窄を有し、高肺血流に至らずに経過した。日齢3に胃瘻造設と臍帯ヘルニア手術、日齢12に小腸穿孔のため回腸部分切除と回腸瘻増設術を受け、生後11か月で退院・在宅移行した。1歳4か月時に再入院し食道牽引術を受けた。術後7日目に計画抜管したが右肺全体に無気肺を生じ、再挿管に至った。再挿管約30分後に突如Mobitz2度AVBが出現し、およそ40秒後にCAVBに移行した。高度徐脈のため直ちに体表面ペーシングを経て、経静脈ペーシングカテーテルによる心室ペーシングを開始した。CAVB発症直後の血液ガス・血液検査所見では有意な異常所見は認めず、心エコーでは心室駆出率の低下を認めなかった。その後、自己脈はHR70程度の心室補充調律となった。イソプロテレノールの持続静注による改善を認めず、自己脈のHRは46-55に留まり、十分な体血流量が得られなかった。CAVB発症後40日目にPMIを施行し、術後日59目に生存退院し、現在在宅で経過中である。
【考察】本症例のCAVBの原因は不明であった。18トリソミーの突然死につながり得る重大な病態として、CAVBへの突然の移行があり得る。
【症例】1歳4か月、女児。18トリソミー、食道閉鎖(Gross type A)、臍帯ヘルニア、DORV、心室中隔欠損と胎児診断されていた。在胎36週6日、体重1688g、Apgar score 1分4点・5分8点にて出生し、当院NICUに入院した。肺動脈弁狭窄を有し、高肺血流に至らずに経過した。日齢3に胃瘻造設と臍帯ヘルニア手術、日齢12に小腸穿孔のため回腸部分切除と回腸瘻増設術を受け、生後11か月で退院・在宅移行した。1歳4か月時に再入院し食道牽引術を受けた。術後7日目に計画抜管したが右肺全体に無気肺を生じ、再挿管に至った。再挿管約30分後に突如Mobitz2度AVBが出現し、およそ40秒後にCAVBに移行した。高度徐脈のため直ちに体表面ペーシングを経て、経静脈ペーシングカテーテルによる心室ペーシングを開始した。CAVB発症直後の血液ガス・血液検査所見では有意な異常所見は認めず、心エコーでは心室駆出率の低下を認めなかった。その後、自己脈はHR70程度の心室補充調律となった。イソプロテレノールの持続静注による改善を認めず、自己脈のHRは46-55に留まり、十分な体血流量が得られなかった。CAVB発症後40日目にPMIを施行し、術後日59目に生存退院し、現在在宅で経過中である。
【考察】本症例のCAVBの原因は不明であった。18トリソミーの突然死につながり得る重大な病態として、CAVBへの突然の移行があり得る。