[P44-02] Fontan術後の外科的再介入症例の治療成績
キーワード:Fontan, re-intervention, complication
【背景】不整脈や蛋白漏出性胃腸症(PLE)、肺動静脈瘻(PAVF)などのFontan術後合併症に対して外科的介入を要することがある。【対象】1997年から2017年に当院で心外導管を用いたFontan手術(EC-TCPC)を施行した126例のうち、現在も当院でフォローしているEC-TCPC術後患者は103例あり、再手術を施行したのは26例(開心術19回、ペースメーカー植込み(PMI) 16、その他1)であった。【結果】再手術時期はTCPC後中央値58(8-216)か月で、房室弁逆流あるいは狭窄に対する弁形成5例(弁閉鎖3、形成2)または弁置換2例、肺静脈狭窄(PVO)に対する解除術5例、PLEまたはPAVFに対する人工血管再置換術3例、肺動脈再建術1例、大動脈弁下狭窄(SAS)に対する解除術3例(筋切除2、DKS1)、心室瘤に対する切除術2例、上行大動脈拡大や大動脈基部拡大に対する上行大動脈置換1例または自己弁温存大動脈基部置換1例、体肺動脈側副血管の過剰発達に対するpeel & wrap1例、MRSA菌血症によるIEに対する人工血管置換術1例であった。また、PMIは16例で、10例は洞不全症候群、5例は房室ブロックに対して施行し、他の1例は心室再同期療法(CRT-P)であった。再手術後は全例生存しており、NYHAならびにQOLの改善、PAVF減少、PLE改善、など良好な術後経過を得ている。10年再手術回避率は72%であった。【まとめ】EC-TCPC術後13%の症例で様々な合併症に対し再開心術を、15%の症例でPMIを要した。10年再手術回避率は72%であった。