[P45-03] BMPR2欠損のSugen/Hypoxiaラット肺高血圧への影響:ゲノム編集技術のSuHxラットモデルへの応用(第1報)
Keywords:肺動脈性肺高血圧, BMPR2, Sugen/Hypoxiaラット
【背景】遺伝性肺動脈性肺高血圧(PAH)においてBMPR2遺伝子異常が報告されるが、生体での閉塞性病変に与える影響は不明である。近年ヒトPAH様の内膜肥厚病変を示すSugen/Hypoxia(SuHx)ラット、マウスモデルが報告された。CRISPR/Cas9系によるゲノム編集システムによりラットの遺伝子欠損(KO)作成が容易になったが、BMPR2欠損のSuHxモデルの閉塞性病変への影響は不明である。【方法】実験1: BMPR2遺伝子単独ないし酸化ストレス応答蛋白群の発現を統括的に制御する転写因子のNrf遺伝子のダブルノックアウト(KO)マウスおよび野生型マウスにSU5416 200mg/kgを単回皮下注射し3週間低酸素暴露(0.5気圧、10%酸素)し、以降は大気中で飼育した。9週後に心カテ、左右心臓重量比、肺血管閉塞病変の定量評価を行い、対照群と比較した。実験2:7週齢のBMPR2 KOラットおよび野生型ラットにSU5416 20mg/kgを単回皮下注射し3週間低酸素暴露(0.5気圧、10%酸素)し、以降は大気中で飼育した。8週間後に心カテ、心臓超音波検査、左右心臓重量比、肺血管閉塞病変の定量評価を行い対照群と比較した。【結果】実験1: SuHx処理BMPR2 単独ないしダブルKOマウスと野生型マウスの右心室圧、左右心臓重量比、肺血管閉塞病変に有意差は認めなかった。実験2:SuHx処理BMPR2 KOラットと野生型ラットで、BMPR2 KOラットの左右心臓重量比は野生型ラットと比較し有意に増加した。【結語】SuHx処理BMPR2 KOラットモデルを用いたBMPR2欠損の肺血管閉塞性病変への影響について、さらなる検討が必要である。