[P46-02] TAPVC(3型)術後における門脈内血栓のリスク因子の検討
キーワード:門脈内血栓, TAPVC, 術後合併症
【背景】新生児期に発症する門脈内血栓の原因は臍カテーテル留置、感染症が多くを占める。TAPVC(3型)術後に門脈内血栓を発症した報告は1例のみで術後合併症としては稀である。今回TAPVC(3型)術後に偶発的に門脈内血栓が発見された1例を経験した。過去の症例を振り返り、門脈内血栓のリスク因子について検討した。
【目的】TAPVC(3型)術後の門脈内血栓発症のリスク因子を明らかにする。
【方法】2000年1月~2017年12月に当院でTAPVC(3型)と診断され、根治術を施行した症例(複合心奇形は除く)を後方視的に検討した。
【結果】対象は13例(男児 9例、女児 2例)で手術時体重の中央値 2870g、手術時期は中央値で日齢3(2~33)、術式はcommon PV-LA吻合が8例、primary sutureless法が5例であった。今回の検討の契機になった1例以外で術後に腹部超音波または腹部造影CTで門脈内血栓が否定されているのは2例のみであり、他の10例では不明であった。門脈内血栓を発症した1例では縦隔炎、菌血症を発症し、炎症波及評価の造影CTで発見され、腹部超音波ではP3、P4領域に血栓を認めた。術前画像検索ではvertical veinが合流する門脈左枝末梢に22mm×11mmの拡張を認めていた。他の12例のうち1例でvertical vein合流部の軽度拡張を認めていたが、門脈内血栓の有無は不明であった。
【考察】TAPVC(3型)ではvertical veinを手術時に結紮し、血流が途絶えることで退縮するとされている。Vertical veinが合流する門脈でも血流が低下し、特に拡張している場合には血流が停滞し血栓ができやすいと考える。
【結論】術前にvertical vein合流部の門脈が拡張している症例、感染症合併症例は門脈内血栓発症リスクが高く、術後画像検索を積極的に行い、抗凝固療法を考慮する必要がある。
【目的】TAPVC(3型)術後の門脈内血栓発症のリスク因子を明らかにする。
【方法】2000年1月~2017年12月に当院でTAPVC(3型)と診断され、根治術を施行した症例(複合心奇形は除く)を後方視的に検討した。
【結果】対象は13例(男児 9例、女児 2例)で手術時体重の中央値 2870g、手術時期は中央値で日齢3(2~33)、術式はcommon PV-LA吻合が8例、primary sutureless法が5例であった。今回の検討の契機になった1例以外で術後に腹部超音波または腹部造影CTで門脈内血栓が否定されているのは2例のみであり、他の10例では不明であった。門脈内血栓を発症した1例では縦隔炎、菌血症を発症し、炎症波及評価の造影CTで発見され、腹部超音波ではP3、P4領域に血栓を認めた。術前画像検索ではvertical veinが合流する門脈左枝末梢に22mm×11mmの拡張を認めていた。他の12例のうち1例でvertical vein合流部の軽度拡張を認めていたが、門脈内血栓の有無は不明であった。
【考察】TAPVC(3型)ではvertical veinを手術時に結紮し、血流が途絶えることで退縮するとされている。Vertical veinが合流する門脈でも血流が低下し、特に拡張している場合には血流が停滞し血栓ができやすいと考える。
【結論】術前にvertical vein合流部の門脈が拡張している症例、感染症合併症例は門脈内血栓発症リスクが高く、術後画像検索を積極的に行い、抗凝固療法を考慮する必要がある。