[P47-05] 22q11.2欠失症候群における精神疾患合併症例の臨床像
Keywords:22q11.2欠失症候群, 精神疾患合併, 統合失調症
背景:22q11.2欠失症候群は、染色体22q11.2の部分欠失に先天性心疾患や顔貌的特徴をともなう遺伝性疾患である。精神疾患の合併が多いことでも知られているが、日本人における臨床的特徴などの報告は少ない。
目的 : 22q11.2欠失症候群における統合失調症などの精神疾患を合併した症例の臨床像と発症の背景因子を明らかにすることを目的とした。
対象と方法 : 東京女子医科大学循環器小児科遺伝外来で22q11.2欠失症候群と診断された患者121例のうち、精神科あるいは心療内科を受診している患者20名を抽出し,医療記録から患者の精神疾患の発症時期、疾患名、合併心奇形、IQ、その他の背景因子を後方視的に調査した。
結果 : 調査対象となった20例(17%)では、統合失調症の発症が60%と最も多く、つづいて適応障害(10%)やパニック障害などであった。精神疾患の発症年齢の平均は23.9歳(14-34歳)。IQの平均値は63.2であった。また、女性に多い(70%)傾向が認められた。合併心疾患は80%がファロー四徴症であり、そのうち半数が肺動脈閉鎖であり、20%は心内修復術に至っていなかった。約80%で就労経験があり、25%で不登校の経験を、10%でいじめ体験を訴えていた。
結論:22q11.2欠失症候群における精神疾患発症の臨床像をあきらかにした。大部分が統合失調症であり、思春期から20代の女性に多く、IQは本疾患の平均的な数字と変わりなかった. 就学時期や就労時期に学習面に限らず対人関係において何らかのストレスを被っている症例が多く認められた。好発時期の学習や対人関係のストレスが発症のトリガーになっている症例が多いことは、精神疾患発症の予防を考える上で環境調整や福祉的サポートなどの重要性を示唆すると考えられた。
目的 : 22q11.2欠失症候群における統合失調症などの精神疾患を合併した症例の臨床像と発症の背景因子を明らかにすることを目的とした。
対象と方法 : 東京女子医科大学循環器小児科遺伝外来で22q11.2欠失症候群と診断された患者121例のうち、精神科あるいは心療内科を受診している患者20名を抽出し,医療記録から患者の精神疾患の発症時期、疾患名、合併心奇形、IQ、その他の背景因子を後方視的に調査した。
結果 : 調査対象となった20例(17%)では、統合失調症の発症が60%と最も多く、つづいて適応障害(10%)やパニック障害などであった。精神疾患の発症年齢の平均は23.9歳(14-34歳)。IQの平均値は63.2であった。また、女性に多い(70%)傾向が認められた。合併心疾患は80%がファロー四徴症であり、そのうち半数が肺動脈閉鎖であり、20%は心内修復術に至っていなかった。約80%で就労経験があり、25%で不登校の経験を、10%でいじめ体験を訴えていた。
結論:22q11.2欠失症候群における精神疾患発症の臨床像をあきらかにした。大部分が統合失調症であり、思春期から20代の女性に多く、IQは本疾患の平均的な数字と変わりなかった. 就学時期や就労時期に学習面に限らず対人関係において何らかのストレスを被っている症例が多く認められた。好発時期の学習や対人関係のストレスが発症のトリガーになっている症例が多いことは、精神疾患発症の予防を考える上で環境調整や福祉的サポートなどの重要性を示唆すると考えられた。