[P50-02] 無脾症候群、総肺静脈還流異常に合併した先天性肺リンパ管拡張症の2例
Keywords:無脾症候群, 総肺静脈還流異常, 先天性肺リンパ管拡張症
背景:先天性肺リンパ管拡張症(Congenital Pulmonary Lymphangiectasis:CPL)は生直後より重篤な呼吸障害を来す致死率の高い疾患である。原因としてリンパ管の発生異常、肺静脈の還流異常による二次的変化が考えられている。我々は救命困難であった無脾症候群、総肺静脈還流異常に合併したCPLの2例を経験したので報告する。症例 1:胎児診断にてAsplenia, SA,SV,CAVV,PS,TAPVCの疑い。37週0日予定帝王切開にて出生。BW2860g。出生直後に涕泣あるも自発呼吸持続せず直ちに挿管管理を開始。SpO2 40% HR100/minにてNICU入室。蘇生処置を継続するも呼吸不全の改善なく生後2時間にて永眠された。病理解剖の結果CPLの診断となった。症例2:38週0日 BW2336g 自然経膣分娩にて出生。出生直後より酸素投与下にてSpO2 30-50%と低酸素血症持続し当院NICUへ搬送。Asplenia, SA,SV,CAVV,PA,MAPCA,TAPVC(1b)診断。日齢0造影CTにてVertical vein(VV)の狭窄、肺野の瀰漫性透過性低下を認めた。同部位へstent留置。PVO解除後に一時的に酸素化の改善がえられたが肺病変の改善なし。日齢 23 胸部単純CTにて瀰漫性小葉隔壁肥厚が残存していた。集中治療管理を継続するも呼吸不全の改善なく日齢57永眠された。臨床経過、CT所見等よりCPLが疑われた。結語:CPLはまれな疾患であるがTAPVCとの合併は少なくない。血行動態に見合わない重度呼吸不全が認められた際には鑑別すべき疾患である。