The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

自律神経・神経体液因子・心肺機能

ポスターセッション51(P51)
自律神経・神経体液因子・心肺機能

Sat. Jul 7, 2018 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:渡辺 健(北野病院 小児科)

[P51-01] 起立性調節障害患者の起立による血行動態変化 ―第3報―

堀口 泰典 (国際医療福祉大学 熱海病院 小児科)

Keywords:起立性調節障害, 左室拡張末期容積, 起立性調節障害ガイドライン

【背景】起立性調節障害はガイドライン(GL)も日本小児心身医学会から出され「心身症」として説明されてきている。【目的】起立性調節障害(OD)患者の起立負荷による血行動態を評価しその血行動態を明らかにする。【方法】OD患者14例(11歳2か月~17歳1か月)を対象とした。心電図・血圧モニター下に安静仰臥位と起立時に心エコー図検査を実施、血行動態の変化を検討した。【成績】安静時左室拡張末期容積(LVEDV)と起立による心拍数(HR)増加の間には、有意な負の相関があった。(相関係数(r)-0.358)しかし一回心拍出量(SV)減少率との間には有意な正相関が見られた。(r=0.301)また、LVEDV減少率との間にも正相関が見られた。(r=0.317)【考案】今回の検討ではLVEDVがHRと負の相関、SV、LVEDV減少と正相関があった。一方、GLではODを(1)起立直後性低血圧(2)体位性頻脈症候群(3)神経調節性失神(4)遷延性起立性低血圧と分類するがこの分類には心拍数と血圧の変化しか考慮されていない。ODを全身特に脳の血流確保の破綻による症状とするならば、心拍出量、COひいてはLVEDVの変化も考慮すべきである。【結論】ODでは心拍数、血圧、脈圧のみならず、心拍出量とそれを規定するLVEDV、SVの起立による変化も発症要因として考慮されるべきである。