第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療

ポスターセッション54(P54)
カテーテル治療 3

2018年7月7日(土) 13:00 〜 14:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:石井 徹子(千葉県こども病院 循環器内科)

[P54-03] シャント閉塞に対し、経皮的バルーン拡張術が有効であった3例

藤本 隆憲, 佐々木 大輔, 阿部 二郎, 佐々木 理, 泉 岳, 山澤 弘州, 武田 充人 (北海道大学 医学部 小児科 循環器グループ)

キーワード:カテーテル治療, チアノーゼ, シャント

【背景】BTS、CSの閉塞に対するPTAは、症例が少ない。今回、我々は、PTAで良好な治療経過を得た右BTS狭窄の2例と、CS狭窄の1例を経験したので報告する。【症例1】三尖弁異形成、重度三尖弁閉鎖不全、肺動脈閉鎖、心房中隔欠損で、生後4日でStarnes手術、右室縫縮術、右BTS (3.5mm)を施行された。生後14日でSpO2が60%まで低下し、シャント狭窄にたいしてPTA(3.5mm)を施行した。一時的にSpO2は80%まで上昇したが、再度低下し、生後1ヶ月でCSを追加した。以降は1歳6ヶ月でTCPC術に到達した。【症例2】21trisomy、完全型心内膜症欠損症、肥大型心筋症(HCM)で、生後3週間で肺動脈絞扼術、生後5ヶ月でSpO2低下に対して右BTS(4mm)を施行した。二心室修復は不適と判断され、待機中の3歳10ヶ月でSpO2が70%に低下し、BTS閉塞に対しPTA(4mm)を施行、SpO2は80%に上昇した。その後は4歳0ヶ月でDKS、CSを施行し、現在はGlenn術、TCPC術の待機中である。【症例3】TOF、PA、MAPCAで、生後3週間でCS(3mm)を施行された。生後7ヶ月でSpO2が酸素投与下で70%となり、造影CTでシャント閉塞が疑われた。PTA(3mm)を施行し、SpO2は改善したが80%には到達せず、生後8ヶ月でpalliative Rastelli術を施行した。【考察】いずれの症例も抗血小板療法は適切に行われていた。また、いずれも安全に施行が可能で、SpO2の上昇がみられ、次回手術へ到達することができた。シャント閉塞が生命に関わるSpO2低下を引き起こしている場合、シャントへのPTAは有効な手段であると考えられた。