[P55-03] GOKU® カーブタイプを用いた屈曲病変へのカテーテル治療の経験
Keywords:GOKU®カーブ, 経皮的血管形成術, カテーテル治療
【背景】GOKU® カーブタイプ(以下、GOKU)は、拡張時にバルーン自体が屈曲し、屈曲部病変に対してスリップすることなく拡張でき、周辺血管の損傷も少ないといった特徴を有するが、小児での使用報告は少ない。【目的】GOKUの小児カテーテル治療における有用性を検討する。【方法】2013年1月~2017年12月の間にGOKUを用いて治療を行った8例に関して後方視的に検討した。【結果】8例中4例は大動脈弓離断(type A 3例、type B 1例)の一期的修復術後狭窄症例で、治療介入時期は生後1~5ヶ月、体重4.4~5.9kgであった。大動脈弓部の屈曲した形状にそってGOKUが拡張し、スリップすることなく、治療前径の1.3~1.8倍に拡張できた。残り4例はBlalock-Taussig shunt手術(BTs)後症例に対して使用した。Ebstein奇形のBTs狭窄に対しては、10ヶ月時、体重7.8kgで治療を行った。出生体重616gの心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症例は、体重1700g で3.5mmグラフトにクリップで狭窄を作成したBTsを行い、生後8ヶ月、体重3.4kgでバルーンによるクリップ解除を行った。多脾症候群、両大血管右室起始、肺動脈閉鎖のBTs後(1歳8ヶ月、体重7.4kg )と、無脾症候群、単心室、主肺動脈欠損、両側動脈管の肺動脈形成術、BTs後(6ヶ月、体重5.6kg)の2例は、BTs吻合部に接した肺動脈狭窄にバルーン治療を行った。BTs内ではBTs径に、肺動脈内ではバルーン最大径にバルーンは拡張され、肺動脈形成が可能であった。BTs4症例いずれもスリップ無く効果的な拡張が得られ、拡張後径は治療前径の1.4~1.9倍であった。【考察】バルーン最大径が6mmであるので使用できる症例は限られるが、屈曲した血管病変の治療にGOKUは有用であると考えられる。