[P56-05] 心房中隔欠損の治療前後のMRIによる評価の有用性
キーワード:MRI, 心房中隔欠損, Amplatz ASD occlusion
【背景】心房中隔欠損(ASD)の治療はAmplatz occlusion(ASO)が増えてきたが外科手術を要する例も依然存在する。【目的】ASDの治療方法(外科手術とASO)の選択では欠損孔周辺組織(リム)の存在の有無や欠損孔全体の形態評価が問題となる。今回、ASO前から主にリム、欠損孔の形態をMRIで評価した症例につき検討して報告する。【方法】ASD2例(症例(1)13歳男性、症例(2)12歳女性)を対象にMRI検査を実施した。MRI装置はPhilips Ingenia 1.5T (シーケンス : Balanced TFE)を用いた。【成績】1)リムは明瞭に観察可能であった。2)形態は二次孔欠損で共に大動脈側リムが小さかった。3)3D画像でも同部の観察は容易であった。4)症例(1)はASO可能と判定され実施されたが、occluderは上行大動脈側心房壁と拍動に伴い接触していた。“erosion”発生は無かった。5)症例(2)はASO不可と判断した。術前カテ時ASOを試みられるも閉鎖できず外科治療となった。【考案】治療前からMRI検査を実施することでリムを含めた形態評価が心エコー図よりも詳細に観察でき、治療法選択の有益な情報が得られた。MRIは肉体的負担が少なく、繰り返し実施可能であることから、治療後の心血行動態の変化の評価も可能であった。1.5TのMRIでは明かな検査に伴う合併症は無かった。【結論】1)ASO前のMRIはリムなど詳細な形態情報を得るために有用である。2)ASO前後の心血行動態の変化も評価可能。3)1.5Tの装置では検査に伴う有害事象は無かった。