The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

複雑心奇形

ポスターセッション61(P61)
複雑心奇形

Sat. Jul 7, 2018 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:片岡 功一(自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児手術・集中治療部)

[P61-05] 機能的単心室修復過程における房室弁置換術の予後改善を目指して

佐藤 純1, 吉井 公浩1, 大森 大輔1, 加藤 温子1, 吉田 修一朗1, 武田 紹1, 西川 浩1, 大橋 直樹1, 櫻井 寛久2, 野中 利通2, 櫻井 一2 (1.中京病院 中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.中京病院 中京こどもハートセンター 心臓血管外科)

Keywords:房室弁置換術, 房室弁形成術, fontan

【背景】機能的単心室症例において房室弁逆流は予後を大きく左右する。欧米では弁形成術(AVVP)が無効と予想される重度房室弁逆流は治療介入せず移植適応となることが一般的である。本邦では移植医療は未だ非現実的であり、AVVPを繰り返すもやむを得ず弁置換術(AVVR)を選択せざるを得ない場合があるが、心機能低下や成長に伴う狭窄を危惧してAVVPが繰り返されるのが現状である。【目的】当院における機能的単心室修復過程でのAVVR成績を検討し、その予後改善を目指す。【方法】過去10年に機能的単心室でTCPC到達までにAVVRを施行した症例を電子カルテから後方視的に検討。【結果】対象症例は7例。手術時年齢0か月~1歳11か月(中央値1歳1か月)、手術時体重2.9kg~9.1kg(中央値5.3kg)、原疾患はHLHS2例、asplenia4例、その他SV1例で、HLHSを除く5例は共通房室弁形態であった。初回AVVP年齢は4か月~9歳(中央値8か月)。AVVRのタイミングはBDG前3例、BDGと同時1例、BDG後1例、TCPC時1例であり、全例で術前房室弁逆流はsevere。AVVRの適応は術中AVVPが無効もしくは不可の判断が3例、AVVP無効で術前からAVVR必要の判断が4例。死亡例5例のうち周術期死亡は3例(ハイフローショック、血栓形成、心不全)、遠隔期死亡が2例(不整脈、心不全)であった。【考察】生存例2例のうち5か月3kgで施行した1例は2回のAVVPで逆流は制御不能であったが、相対的な弁狭窄により心機能は保たれていた。1歳11か月9kgで施行した1例は心室dyssynchronyにより低心機能だったがEDP上昇は認めず、CRTを導入し心機能回復が得られた。【結論】機能的単心室修復過程においては可能な限りAVVPによりAVVRを先送りする努力をする一方で、心機能が保たれていることや心機能を改善させるプラスアルファがAVVRの成績向上に繋がる。