第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション64(P64)
電気生理学・不整脈 7

2018年7月7日(土) 13:00 〜 14:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:加藤 愛章(国立循環器病研究センター 小児循環器科)

[P64-02] ウェアラブルデバイスを用いた不登校に対する運動指導に関する検討

浦島 崇1,2, 河内 文江1, 伊藤 怜司1, 南澤 享1, 藤原 優子1, 小川 潔1 (1.東京慈恵会医科大学小児科, 2.総合母子保健センター愛育病院)

キーワード:不登校, ウェアラブルデバイス, 運動

【背景】現在、不登校の小中学生は全国に11万人で増加傾向にある。治療は心理カウンセリング、不眠・不安に対する薬物療法が主体でありほとんどのケースで社会復帰に難渋する。当院では児の活動性とメンタルヘルスの向上を期待して不登校児に対しての運動指導を行っている。しかし病識の少ない小中学生において運動指導のアドヒアランス向上は困難であるケースが多い。【目的】不登校・引きこもりが背景にある患者に対して基礎体力測定・CPXによる心肺機能評価を行い、それに準じた運動指導を行った。運動指導のアドヒアランス、一日活動量の評価にウェアラブルデバイス(fitbit alta)を利用し運動指導の効果に影響を与えるか検討する。【方法】慈恵医大・印西総合病院を不定愁訴で受診し不登校・引きこもりの背景がある患者で運動指導を希望した12名(男性10名、女性2名)。中央値14歳9か月であった。CPXによる心肺機能評価もしくは運動適正テストを施行しケースごとに適した運動指導を行った。院内でPTの監視下でトレッドミル、縄跳びなどの有酸素運動を1-3回/週で行った。引きこもり6例中4例で復学・就職が達成された。【結果】自己理由での中断は1名であった。不登校の6名中4名は開始半年以内に復学することができた。引きこもりの症例6例中3例で復学・就職が達成された。全例で30分以上のactiveな時間は週5日以上で実践された。運動開始前後において消費カロリー、activeな時間、歩数は有意に上昇した。【結論】近年、認知症うつ病に対しての運動療法の有用性が報告されており不登校、引きこもりに対しても改善する例が認められた。ウェアラブルデバイスを用いた運動指導のアドヒアランス向上に有用であった。