第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション64(P64)
電気生理学・不整脈 7

2018年7月7日(土) 13:00 〜 14:00 ポスター会場 (311+312+313+315)

座長:加藤 愛章(国立循環器病研究センター 小児循環器科)

[P64-04] 運動中に心肺停止で搬送されたJ波症候群と考えられる15歳 女児例

松尾 憲典 (田辺中央病院 小児科)

キーワード:J波, 学校心電図健診, BLS

【症例】15歳、女児家族歴に特記事項なく、生来健康であった。体育館でバスケットボール部の練習中、ダッシュ後に卒倒した。救急要請し、AEDは準備されたが、装着されず、救急隊到着まで蘇生術(CPR)は施行されなかった。救急隊到着後CPAと判断されCPR開始された。AED装着、VFと判断され除細動施行も反応なく、CPR継続されルート確保、エピネフリン2回投与されて、当院へ搬送となった。当院到着後CPR中に自己心拍再開を確認した。 速やかに低体温療法(48時間)を含む集中治療を行った。第12病日抜管、第15病日一般病棟へ転棟となった。高度視野狭窄、高次機能障害を認めるが、自立歩行可能となり、リハビリテーション専門病院に転院。その後ICD植込み行い、再度当院外来にてフォロー中である。ホルタ―ECGにてPVCは2回/日、J波認める。心エコーで左心機能は良好。長軸RVOT 26mmであった。後方視的に学校心電図検診で施行されていた心電図において下壁誘導(3誘導)に0.15mV以上のJ波認めていた。総合的にJ波症候群(早期再分極症候群)と暫定診断した。現在までのところ、KCNQ1、SCN5A、KCNH2遺伝子検査には異常認めなかった。学校職員へのBLSの更なる普及、浸透が望まれる。