[I-OR03-02] Fontan pathwayから二心室、1.5心室修復に方針転換したunbalanced AVSDの3症例
キーワード：unbalanced AVSD, Fontan, one and one half repair
【背景】一側心室の低形成を伴うunbalanced AVSDは二心室修復と単心室修復のどちらを目指すか判断に苦慮することも多い。今回我々は、一度単心室修復を目指しグレン手術を行ったが、その後方針を転換し二心室修復、1.5心室修復を行うことで良好な結果を得た3症例を経験したので報告する。【症例】1.Down症、cAVSD、hypoRV、グレン手術後、septaion困難のためフォンタン手術施行、大量の胸水のためtake down、その後5歳時に1.5心室修復術を行った。2.Down症、cAVSD、CoA、hypoLV、当初は単心室修復の適応と考えグレン手術施行、フォンタン手術前のカテーテル検査にてRpI高値でありフォンタン不適応、septationできるかは術中判断とし最終的に二心室修復が可能であった。3.TOF、cAVSD、septationによりLV volumeが小さくなる懸念があり他院にてグレン手術施行。その後当院に転院し、二心室修復の可能性もあると判断し二心室修復を施行した。【考察】手術時間は642±65分、3症例とも経過良好にて退院となった。Down症の2症例はfailed Fontan 、Fontan不適応の症例であった。全例術前に弁尖縫合による二弁口化を行っていたが、一度縫合糸を外してseptation可能であった。グレン手術前後で左右心室の容積バランスに大きな変化は認めなかった。SVC再建を要した2例でどちらもePTFEや自己心膜パッチを必要としたが術後のSVC狭窄は認めなかった。【結語】一側房室弁低形成のため一度は単心室修復の適応と判断したが、グレン手術後であっても二心室、1.5心室への方針転換は可能であった。従来から行われているカテーテル検査によるvolumetryではboarder line LV RVに対する情報が十分ではなく、それらに対する指標が今後の課題である。