[I-OR04-04] Fontan型手術後の経カテーテル的再介入に関するリスクファクター解析
Keywords:Failing Fontan, re-intervention, catheter intervention
【背景】Fontan型手術は姑息的修復治療と位置づけられ,術後に残存病変や遠隔期合併症のため再介入を要することが稀ではない.【対象】1980年から2017年までの38年間に当院でFontan型手術を実施された全374名のうち,術後にカテーテル再介入を要した連続91名患者を対象とした.対象群の手術時年齢は2.5歳,観察期間は12年間(中央値)であった.背景疾患に心房内臓相同34名,内臓正位右室型・左室型単心室 各26・24名,その他7名.【方法】心房内蔵相同,肺静脈閉塞,肺動脈狭窄,大動脈縮窄,房室弁逆流,心室機能低下,頻拍性不整脈,蛋白漏出性胃腸症,主要体肺側副動脈,横隔神経麻痺,Fontan型手術時体重10kg未満・年齢4歳未満,に関する情報を集積し,複数回CIの要因を単変量・多変量解析で検討した.単変量解析ではKaplan-Meier法により生存曲線を作成し,Log-Rank検定を行った.また多変量解析ではCox比例ハザードモデルを用いた解析を行った.【結果】全介入例は138名(37%),手術45名,CI 91名であった(重複あり).手術再介入の内容と延べ回数はペースメーカ植込術18回,弁形成術もしくは弁置換術12回,TCPC転換術12回,気管切開術3回,開窓術1回,肺静脈ステント留置4回であった.一方, CI内容と延べ回数は,塞栓術89回,ステント留置術15回,バルーン拡張術10回,開窓穿刺作成7回,開窓閉鎖5回,アブレーション3回であった.うち40例(44%)は複数回を要し,独立予後因子は肺静脈閉塞(p=0.03, OR 3.10, 95%CI 1.09-8.82),肺動脈狭窄(p<0.01, OR 15.34, 95%CI 3.37-69.79),頻拍性不整脈(p=0.05, OR 13.53, 95%CI 1.03-89.72)であり,65%はFailing Fontan(別途定義)に対する介入であった.【考察】Fontan型手術後の経カテーテル的再介入の頻度は高く,特にFailing Fontanに対しては難治性を反映し複数回を要する.穿刺開窓術,リンパ管インターベンションを含めた集約的治療技術の向上が求められる.