[I-OR05-04] 当院における20年間の小児大動脈弁形成術の成績
キーワード:aortic valve, valve repair, pediatric
【目的】小児大動脈弁手術における弁形成術(AVP)の位置付けを確認すべく、その長期成績を検討した。
【方法】対象は1999年から2019年にかけて当院でAVPを施行した18歳以下の全69症例で、Jatene・Norwood・DKS・Ross手術後の元肺動脈弁に対する手術を含む。病型は、AS 20例、ASR 13例、AR 36例であった。主診断は、AS 17例、ASR 3例、AR 3例、VSD・DORV 15例、TOF・PAVSD 5例、CoA・IAA 8例、HLHS 6例、TGA 3例、総動脈幹症 3例、cTGA 1例、単心室 1例、IE 1例、Ross手術後 3例であった。手術時年齢は生後2日から18歳(中央値 6.8歳)。形成に心膜パッチを使用したものが23例、非使用が46例であった。
【結果】術後観察期間は1か月から19年6か月(平均 8.1年)。死亡は病院死1例。その診断はcAS、EFE、左室瘤、境界型HLHSで、BPABを経て生後21日(3.2kg)にAVP・Dor手術を施行。その後、reAVP・EFE切除・MVP、さらにreEFE切除・MVRを行い、2歳3か月で死亡した。再手術回避率は15年61%、弁置換回避率は15年63%であった。3尖弁の再手術回避率は15年66%、1・2・4尖弁では53%であった。心膜パッチ非使用例の再手術回避率は15年67%、使用例で50%であった。心膜パッチ使用例のうち、4歳以上の再手術回避率は15年73%であったが、3歳以下では最長6.5年だった。
【結論】AVPの長期成績は満足できるものであった。新生児・乳児期に心膜パッチを使用した症例では再手術を要しているが、Ross-Konno手術やNorwood手術の代替術式として有用だと考えている。
【方法】対象は1999年から2019年にかけて当院でAVPを施行した18歳以下の全69症例で、Jatene・Norwood・DKS・Ross手術後の元肺動脈弁に対する手術を含む。病型は、AS 20例、ASR 13例、AR 36例であった。主診断は、AS 17例、ASR 3例、AR 3例、VSD・DORV 15例、TOF・PAVSD 5例、CoA・IAA 8例、HLHS 6例、TGA 3例、総動脈幹症 3例、cTGA 1例、単心室 1例、IE 1例、Ross手術後 3例であった。手術時年齢は生後2日から18歳(中央値 6.8歳)。形成に心膜パッチを使用したものが23例、非使用が46例であった。
【結果】術後観察期間は1か月から19年6か月(平均 8.1年)。死亡は病院死1例。その診断はcAS、EFE、左室瘤、境界型HLHSで、BPABを経て生後21日(3.2kg)にAVP・Dor手術を施行。その後、reAVP・EFE切除・MVP、さらにreEFE切除・MVRを行い、2歳3か月で死亡した。再手術回避率は15年61%、弁置換回避率は15年63%であった。3尖弁の再手術回避率は15年66%、1・2・4尖弁では53%であった。心膜パッチ非使用例の再手術回避率は15年67%、使用例で50%であった。心膜パッチ使用例のうち、4歳以上の再手術回避率は15年73%であったが、3歳以下では最長6.5年だった。
【結論】AVPの長期成績は満足できるものであった。新生児・乳児期に心膜パッチを使用した症例では再手術を要しているが、Ross-Konno手術やNorwood手術の代替術式として有用だと考えている。