[I-OR07-02] TMP PED®バルーンカテーテルを用いた経皮的肺動脈弁形成術
Keywords:肺動脈弁狭窄, カテーテルインターベンション, 小児
【背景】2016年から市販されたTMP PED®(東海メディカルプロダクツ)の使用例が蓄積されてきたので報告する.【対象と方法】2017~2018年の間に肺動脈弁狭窄に対してTMP PEDを用いて経皮的肺動脈弁バルーン形成術(BVP)を実施した8例(男4例)を対象とし,使用効果に関して検討した.【結果】対象疾患は先天性肺動脈弁狭窄(vPS)6例,BVPを行った純型肺動脈閉鎖症(PA/IVS)の肺動脈弁再狭窄1例,BVPを行ったFallot四徴肺動脈閉鎖(TOF/PA)の右室流出路再狭窄1例だった.実施時年齢7(2―28)か月,体重6.9(5.4―14.6)kgだった.肺動脈弁輪径(PVd)9.6(7.1―12.6)mmに対し133(113―169)%対弁輪径でBVPを実施した.シングルバルーン法7例,ダブルバルーン法1例だった.いずれの症例も12mm径バルーンおよび0.018”ガイドワイヤー(ThruwayTM)を使用した.シースサイズは5あるいは6Frで,サイズアップを要した症例はなかった.右室圧/体血圧比(TOF例を除く)は0.58(0.51-0.90)→ 0.40(0.24-0.75)と低下した.治療効果あり5例,治療効果不十分3例であった.治療効果が不十分であった症例のうち1例はvPS症例(28か月,体重14.6kg,PVd 14.6mm)で,ダブルバルーン法の際に12mm径TMP PED同士がスリップしてしまい,一方のバルーンを10mm径SterlingTMに変更した.残りの2例はPA/IVS・BVP後再狭窄,およびTOF/PA・BVP後再狭窄であり,いずれも異形成弁であった.【考察】TMP PEDは12mm径バルーンが4Frシースおよび適合ワイヤー0.018”で使用できることが特徴で,弁輪径10mm程度までの症例がシングルバルーン法で治療できる.またショルダー部分が短く乳児期のBVPに適している.ただし最大加圧3.5-4気圧であるため,異形成弁等には効果が不十分となる症例があると考えた.