[I-OR07-04] ICE単独ガイドによるTEE未施行での経皮的心房中隔欠損閉鎖術の報告
キーワード:カテーテル治療, 経皮的心房中隔欠損症閉鎖術, 心腔内エコー
【はじめに】当科での経皮的心房中隔欠損症閉鎖術(Transcatheter closure of atrial septal defect:TC-ASD)の治療実績は600例を超え、近年では、心腔内エコー(ICE)単独ガイドのみでのTC-ASDを積極的に施行し、約半数を占めるまでに増加している。また、特定の基準を満たした症例では術前を含め経食道心エコー(TEE)を施行していない。正確な欠損孔の部位と大きさの評価、術中モニタリングとしてTEEが推奨されているが、TEEでの合併症は決して少なくはなくICEの有用性も報告されている。【目的】ICE単独ガイド下にて施行したTC-ASD症例のうち、術前を含めTEE未施行群の安全性・有効性を検討した。【対象と方法】当院でTC-ASDを施行したICE単独ガイドの 103例のうち、TEE未施行群(NoTEE群)24例とTEE施行群(TEE群)79例について2群間で属性情報と治療結果について比較した。【結果】NoTEE群で年齢[8.3歳(4.5~17.9)vs 18.5歳(6.4~79.6)]と体重[26.6kg(12.9~50.9)vs 52.1kg(16.4~96.7)]、欠損孔径 [9.7(6.4~17.8)vs 13.3(4.5~28.3)]は有意に小さかった。しかし、透視時間、sheath in-out時間に有意差は無く、NoTEE群による合併症は見られなかった。【結語】TC-ASDにおいて、小欠損孔で経胸壁心エコーにて術前評価が十分に行えた症例を選択すれば、TEEを施行することなくICE単独ガイドでも大きな問題がなく、安全に行える。今後、安全性を確認しながらさらに適応拡大していく方針であり、当院でのICE単独での施行プロトコール、適応症例のピットフォールを含め報告したい。