[I-OR13-05] 機能的単心室TCPC手術・術後のFontan routeに対して修正・介入を行った症例の検討
キーワード:フォンタン型手術, 機能的単心室, 先天性心疾患
【背景】Fontan型手術前後の合併症として肺動静脈瘻形成(PAVF)の回避が問題となる。【方法】2009年1月から2018年12月の間に当院で施行したFontan症例のうち、TCPC施行時・施行後にFontan routeを調整した症例について診療録をもとに後方視的に検討した。【結果】対象期間内にTCPCを210例に施行した。全例Extracardiac TCPCを施行した。同期間でPAVFを発症したのは8症例で、TCPC前の発症が4例、TCPC後の発症が4例だった。Fontan routeに介入した症例は6例で、Polysplenia / SV 3例、HLHS 3例。Fontan routeに介入した症例は6例で、介入理由(1)はBDGの状態が長くTCPC前にAVFができた2症例にY-Graftを用いた。介入理由(2)はAzygos veinとIVC血流の競合が原因で、TCPC後conduit excagne, main PAstent留置を2症例に施行した。介入理由(3)は肺動脈が上・下に段ちがいとなり、TCPC後IVCからの血流が上肺動脈に流れないことが原因で、 肺動脈形成術を1例に、肺動脈にstent留置を1例に施行した。【まとめ】TCPC後PAVFを生じる可能性を常に念頭に置き, Glenn血流との競合など血行動態上の問題から肺内に肝血流が到達しにくくなることを念頭にデザインし、肝血流の左右均衡化に留意する必要があると考えられた。