[I-OR14-01] ストレイン解析を用いた小児から若年成人までの1型糖尿病患者の左房機能の評価
キーワード:左房ストレイン, 1型糖尿病, 糖尿病性心筋症
【背景】近年、糖尿病性心筋症による心不全が注目され、1型糖尿病においても心不全発症のリスクは高く、心機能低下の報告が散見されるが、左房機能については報告されていない。
【目的】1型糖尿病における左房機能についてストレインを用いて検討すること。
【方法】5歳から41歳の1型糖尿病患者47例を年齢によって3群に分類し(D1:5-14歳、D2:15-29歳、D3:30-41歳)、正常対照群47例も同様の方法で3群(N1, N2 及びN3群)に分類した。心尖部4腔断面像、2腔断面像より、それぞれ左房のreservoir機能、conduit機能、booster pump機能を表す収縮期、拡張早期、拡張後期の左房ストレインと、収縮期ストレインをE/e’で除した左房stiffness、左室のストレインを測定した。
【結果】各同年齢群において左室駆出率に有意差は認めなかったが、左室長軸方向ストレインがN3群 vs D3群 (-17.7 ± 1.9% vs. -15.3 ± 1.8、p = 0.025)と年長群で有意に低下していた。収縮期ストレインはN2群 vs D2群 (47.5 ± 6.3% vs. 41.2 ± 5.8%、 p = 0.042)、N3群 vs D3群 (47.5 ± 6.5% vs. 40.3 ± 6.8%、 p = 0.027)、拡張早期ストレインはN2群 vs D2群(35.4 ± 5.4% vs. 29.1 ± 56.3%、p = 0.017)、心房収縮期ストレインはN3群 vs D3群(14.7 ± 2.9% vs. 12.0 ± 2.5%、p = 0.042)であった。左房stiffnessはN3群 vs D3群 (0.12 ± 0.03 vs. 0.18 ± 0.05、p < 0.001)と年長群で有意に増加を認めた。
【結論】1型糖尿病患者において、10代後半より左室弛緩の指標となる左房のconduit機能およびreservoir機能が低下し、30代より左房の硬さが増大していた。これは1型糖尿病における左房機能の新たなる知見である。また、左房ストレインが糖尿病性心筋症における心機能低下の早期指標となる可能性がある。
【目的】1型糖尿病における左房機能についてストレインを用いて検討すること。
【方法】5歳から41歳の1型糖尿病患者47例を年齢によって3群に分類し(D1:5-14歳、D2:15-29歳、D3:30-41歳)、正常対照群47例も同様の方法で3群(N1, N2 及びN3群)に分類した。心尖部4腔断面像、2腔断面像より、それぞれ左房のreservoir機能、conduit機能、booster pump機能を表す収縮期、拡張早期、拡張後期の左房ストレインと、収縮期ストレインをE/e’で除した左房stiffness、左室のストレインを測定した。
【結果】各同年齢群において左室駆出率に有意差は認めなかったが、左室長軸方向ストレインがN3群 vs D3群 (-17.7 ± 1.9% vs. -15.3 ± 1.8、p = 0.025)と年長群で有意に低下していた。収縮期ストレインはN2群 vs D2群 (47.5 ± 6.3% vs. 41.2 ± 5.8%、 p = 0.042)、N3群 vs D3群 (47.5 ± 6.5% vs. 40.3 ± 6.8%、 p = 0.027)、拡張早期ストレインはN2群 vs D2群(35.4 ± 5.4% vs. 29.1 ± 56.3%、p = 0.017)、心房収縮期ストレインはN3群 vs D3群(14.7 ± 2.9% vs. 12.0 ± 2.5%、p = 0.042)であった。左房stiffnessはN3群 vs D3群 (0.12 ± 0.03 vs. 0.18 ± 0.05、p < 0.001)と年長群で有意に増加を認めた。
【結論】1型糖尿病患者において、10代後半より左室弛緩の指標となる左房のconduit機能およびreservoir機能が低下し、30代より左房の硬さが増大していた。これは1型糖尿病における左房機能の新たなる知見である。また、左房ストレインが糖尿病性心筋症における心機能低下の早期指標となる可能性がある。