[I-P03-01] 新生児期心臓外科術後の小児集中治療室における経腸栄養及び哺乳に関する検討
Keywords:哺乳障害, 集中治療, 新生児
近年、術後早期の経腸栄養が推奨されている。しかし、先天性心疾患術後は血行動態が安定しなければ経腸栄養を開始しても吸収されないのは既知のことである。当院は摂食嚥下認定看護師が新生児集中治療室(NICU)に誕生したことから、経腸栄養開始のみならず、哺乳にも注目し検討を始めた。【目的】当院小児集中治療室(PICU)における新生児期の先天性心疾患術後の経腸栄養開始及び、経口哺乳開始等についていくつかの仮説をたてて検討する。【方法】単施設観察研究。2016年1月~2018年12月に当院小児集中治療室PICUに入室した新生児78例のうち、生存退室した心臓外科術後66例を対象とした。仮説1)人工心肺使用症例は非使用症例に比して経腸栄養開始時期が遅い。仮説2)ノーウッド手術後の症例は血行動態が安定しないために経腸栄養開始時期が遅い。仮説3)退室時の経口哺乳可能率は70%程度である。【結果】症例の背景として、入室時日齢中央値8.5(最小1、最大29)、入室時体重中央値2866g(min.1501, max3962)、人工心肺使用32例、人工心肺非使用例34例。在胎週数中央値38週(min.34, max41)であった。仮設1)は人工心肺使用/非使用の経腸栄養開始中央値術後6日(min.3, max13)/3日(min.2, max.7)で有意に遅かった(unpaired test, p<0.01)。仮説2)は開心術のうち、ノーウッド術後/非ノーウッド術後の経腸栄養開始中央値は術後8日(min.6, max.11)/5日(min.3, max.13)で有意に遅かった(unpaired test, p<0.01)。仮設3)全症例のうち、PICU退室時に経口哺乳可能だったのは50例で76%だった。哺乳不可の理由は、心不全、反回神経麻痺等であった。【結論】当院での新生児心臓術後の経腸栄養開始時期は人工心肺使用例は術後7日前後だった。経口哺乳は多くの症例が開始できたが、解剖学的異常がある症例以外が哺乳可能となるように、認定看護師の早期介入による状態改善を目指したい。