[I-P05-06] フォンタン循環の身長・体重成長への影響
Keywords:フォンタン, 身長, 体重
【背景】フォンタン循環では、成長障害を認める【目的】フォンタン循環の成長に、影響を与える因子を明らかにする【対象】1985年から2018年の単心室循環のうち、身長・体重を計測した149例を対象【方法】1フォンタン循環の成長曲線を作成。2出生時(B)、グレン術前(preG)、フォンタン術前(preF)、フォンタン術後(postF)の 身長(Ht)・体重(Wt)のSD値推移を比較。3preG、preF、postFのSD値と出生時、グレン前、フォンタン前、フォンタン後のカテーテルを含めたパラメーターに単変量、多変量解析を施行【結果】1身長は3か月時より-1SD程度となり、その後-1SDを推移。体重は3か月で-2SDまで低下し、1~4歳までは正常だが、以降緩やかに低下し-1SDを推移。2、SD値はHt(B) -0.319±0.535(mean±SE)、Ht(preG)-1.543±0.145、Ht(preF)-1.048±0.122、Ht(postF)-0.9371±0.119。Wt(-0.508±0.107、-2.065±0.126、-0.7651±0.205、-0.579±1.101)。preGで有意に低下、preFで有意に上昇(p<0.01)。3、単変量解析ではHt(preG)はLVEF(preG)と正、RPA wedge(preG)と負の相関。Ht(preF)はRPA wedge(preF)、RPA mean(preF)、手術回数と負の相関。Ht(postF)はPA wedge(preG)、conduit mean(preF)、PA mean(preF)、NT pro BNP(postF) HANP(psotF)、BNP(psotF)と負の相関。Wt(preG)はQp/Qs(preG)、EF(preG)と負の相関。Wt(postF)はSVC 圧(postF), IVC圧(postF)、フォンタン月齢、手術回数と負の相関を示した。多変量解析ではHt(postF)がconduit 圧(postF),NT pro BNP(postF)と負の相関(p<0.01)。Wt(postF)はフォンタン月齢と負の相関(p<0.01)を示した。【考察】身長・体重はグレン術前に障害されその後緩やかに改善する。グレン前の減少は心不全の影響が大きく、フォンタン後の身長は、心不全および肺動脈圧が、 体重は早期のフォンタン手術が関与していた。フォンタン循環の状態評価に身長・体重の測定は有用である。