[I-P07-01] 小児における右室流出路再建術後の肺動脈弁逆流に対する手術後の中長期経過
キーワード:肺動脈逆流, 右室容積, 右室流出路
【背景】右室流出路再建術後(RVOTR)後の肺動脈弁逆流(PR)に対し、右室流出路に対する再手術が行われている。小児での中長期経過の報告は少ない。【目的】小児の右室流出路再建後の再手術の術後経過を明らかにすること【対象】2000年以降、RVOTR術後のPRに対し小児期に再手術を行なった13例。【方法】後方視的に下記を検討。1、術後の心胸比(CTR)、心電図のQRS時間(QRS)、MRIによる右室容積の経時的変化。2治療再介入の有無。【結果】疾患はファロー四徴症12例、心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症1例。初回RVOTRから再手術までは8.6±4.6年、再手術時の年齢は平均的11歳0ヶ月±4歳11ヶ月であった。観察期間は3.1±3.9年であった。手術は弁置換9、弁付き導管交換3、弁形成が1で、三尖弁形成(TVP)を10例で行なっていた。手術死亡はなく1例で洞不全症候群からペースメーカー挿入となった。術後一年でCTRは63±10%から58±5%(P=0.01)で低下、QRS146±28msecから144±35msec(P=0.85)と優位な変化を認めなかった。5年以上経過を追えた5例の検討では、2例でCTR、QRSとも術前に比較し拡大と延長をきたした。一例で経時的にMRIによる右室容積評価が行われ、右室容積術前170ml/m2に対し、術後130ml/m2まで縮小が認められ、6年後150ml/m2にまで再拡大を認めた。右室容積の再拡大により再々手術介入は2例。1例は右室流出路狭窄から6年後に、他の一例ではPRは中等度であったが、TVPを合わせて行なっていたが三尖弁逆流の改善が認められず2年後に再介入した。【結語】PRに対する手術介入により心拡大の改善が認められる。中長期的には右室容積再拡大が起こること、加えて成長に伴う流出路狭窄、三尖弁形成術の効果など考慮し、治療介入時期を判断する必要がある。