[I-P08-01] 成人先天性心疾患術後患者における感染性心内膜炎の外科的治療の課題
Keywords:感染性心内膜炎, 外科治療, 成人先天性心疾患
【背景】先天性心疾患(CHD)術後患者のIEは罹病率,死亡率が高く,特に成人の患者に発生頻度が高いことが知られている。
【目的】当院の成人先天性心疾患術後(ACHD)患者でIEに対して外科的治療を要した患者の治療経過を検討する。
【対象】1995年から2018年に当院で行った1890例のCHD術後患者のうち,当院でIEに対して再手術を行った15歳以上の6例(0.3%)。
【結果】年齢は31.2±10.3歳,VSD術後3例、Rastelli→PVR後1例,Konno→Re-Konno+MVR後1例,Ross後1例。術後経過年数は15.8±14.9年。6例中4例は遺残病変(VSD遺残2例,AR1例,導管狭窄1例)があり,2例は人工弁(生体弁1例,機械弁1例)弁置換術後であった。歯科治療後のIE発症は1例,塞栓症は2例(肺梗塞,小脳梗塞),術後急性期死亡が1例。全例で先行する発熱を認めたが,IEの診断に至るまでの期間が平均 59.8日であり,診断に難渋した症例が多かった。導管などの人工物によりエコーでの評価が困難な場合があるが,vegetationが同定されなければ手術に踏み切ることは難しい。3例はIEを疑ってUCGを行うもvegetationを同定できない期間が長く,1例は脳膿瘍発症,1例はショックとなり緊急手術を行うも救命困難だった。1例はGa-SPECT/CTと心臓同期CTで石灰化した導管内のvegetationを同定できた。
【結論】CHD術後患者のIEは早期診断が重要であることが示唆された。人工材料や石灰化などによりUCGでvegetationの同定が困難な場合は他のモダリティーを積極的に併用することで早期診断につながる可能性がある。また,早期診断のために,特に遺残病変や人工物を使用した術後患者は,医療者だけでなく患者自身もIEのハイリスクであることを認識することが重要と考える。
【目的】当院の成人先天性心疾患術後(ACHD)患者でIEに対して外科的治療を要した患者の治療経過を検討する。
【対象】1995年から2018年に当院で行った1890例のCHD術後患者のうち,当院でIEに対して再手術を行った15歳以上の6例(0.3%)。
【結果】年齢は31.2±10.3歳,VSD術後3例、Rastelli→PVR後1例,Konno→Re-Konno+MVR後1例,Ross後1例。術後経過年数は15.8±14.9年。6例中4例は遺残病変(VSD遺残2例,AR1例,導管狭窄1例)があり,2例は人工弁(生体弁1例,機械弁1例)弁置換術後であった。歯科治療後のIE発症は1例,塞栓症は2例(肺梗塞,小脳梗塞),術後急性期死亡が1例。全例で先行する発熱を認めたが,IEの診断に至るまでの期間が平均 59.8日であり,診断に難渋した症例が多かった。導管などの人工物によりエコーでの評価が困難な場合があるが,vegetationが同定されなければ手術に踏み切ることは難しい。3例はIEを疑ってUCGを行うもvegetationを同定できない期間が長く,1例は脳膿瘍発症,1例はショックとなり緊急手術を行うも救命困難だった。1例はGa-SPECT/CTと心臓同期CTで石灰化した導管内のvegetationを同定できた。
【結論】CHD術後患者のIEは早期診断が重要であることが示唆された。人工材料や石灰化などによりUCGでvegetationの同定が困難な場合は他のモダリティーを積極的に併用することで早期診断につながる可能性がある。また,早期診断のために,特に遺残病変や人工物を使用した術後患者は,医療者だけでなく患者自身もIEのハイリスクであることを認識することが重要と考える。