第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

術後遠隔期・合併症・発達

ポスターセッション8(I-P08)
術後遠隔期・合併症・発達 4

2019年6月27日(木) 17:40 〜 18:40 ポスター会場 (大ホールB)

座長:深澤 隆治(日本医科大学 小児科)

[I-P08-03] 先天性心疾患患児の低身長の特徴

大津 幸枝1, 岩本 洋一2, 石戸 博隆2, 増谷 聡2, 谷川 翔陽3, 荒川 浩3 (1.埼玉医科大学総合医療センター 看護部, 2.埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科, 3.埼玉医科大学総合医療センター 小児科)

キーワード:先天性心疾患, 低身長, 成長ホルモン治療

【はじめに】先天性心疾患(CHD)患児の中には、発育に問題を抱える児が多く存在する。その一部が、低身長として介入を必要とする。その疾患特性や治療の有効性は不詳である。今回、低身長により小児内分泌外来を受診した患者で、CHD群と非CHD群を比較し、CHD患児の低身長の特徴を明らかにする。
【対象と方法】小児内分泌外来を受診した6歳以上の低身長で成長ホルモン(GH)負荷試験を受けた基礎疾患のない児25名(非CHD群)とCHD群11名で、初診時年齢、初診時身長SD、IGF-1値、GH分泌不全の割合、GHへの反応性を比較した。GH分泌不全の診断は、負荷試験の結果をもとに“診断の手引き”により診断した。
【結果】初診時平均年齢は、CHD群9.6歳、非CHD群11.1歳であった。初診時のCHD群の身長(-3.2±1.0 SD)は、非CHD群(-2.4±0.5 SD)より有意に小さく、体重も同様で(P<0.005)、かつBMIもCHD群で低かった(14.6±1.6 vs 17.9±4.0, P<0.05)。GH作用を仲介するインスリン様成長因子(IGF-1)値は、CHD群97±49 ng/mLで非CHD群146±66 ng/mLより低値傾向を示した。負荷試験等により最終的にGH分泌不全と診断されたのは、CHD群4名(36 %)で、非CHD群12名(48%)より割合が少なかった(P=ns)。CHD群4名はすべてFontan術後で、2名有効、1名は注射時の痛みのため中断、1名は無効であった。
【結論】CHD群は非CHD群より体格が小さく、痩せの傾向がみられ、GH分泌不全による割合が低かった。出生前からの循環動態や頻回手術、栄養等、GH分泌以外の要因が大きいと考えられる。CHD群でGH分泌不全の治療基準を満たした場合も、非CHD群と同等の効果を期待できない可能性があり、症例数を増加させた検討が必要と考えられた。