第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

画像診断

ポスターセッション9(I-P09)
画像診断 1

2019年6月27日(木) 17:40 〜 18:40 ポスター会場 (大ホールB)

座長:兒玉 祥彦(福岡市立こども病院 循環器科)

[I-P09-04] 先天性心疾患における3D/4DCT-画像処理の工夫とオパシティカーブの重要性-

橋本 丈二 (福岡市立こども病院 放射線部)

キーワード:画像処理, オパシティカーブ, 3D/4DCT

背景:年間約400件の手術を支援する画像を提供できるよう、循環器内科医+看護師+放射線技師のチームワークで術前CTから、術式決定、手術時間、器材準備、手術イメージ作り等の為の情報提供を行っています.撮像方法については昨年のポスターセッションにて発表済の為、十分な情報を得る為の適切な画像処理(オパシティカーブの重要性)と運用方法について検証しました.
目的:観察者にとって認識しやすい画像に調整する手法を構築する.スタッフ間の技術差を減らす方法を構築する.
機種:SYNAPSE VINCENT(Fuji)
対象:心臓CT検査1326件(H26年11月~H29年10月.検査時年齢0日~22歳.中央値1.3歳.)
被曝:3D約1.3mSv,4D約9mSv
方法:オパシティカーブ(不透明度曲線)を立体感の高い画像を作成できるように調整し、部位別の色分けや透亮像用として複数作成しました。画像処理手順をまとめた動画マニュアルを作成し、参照しながら業務を行える環境を整備しました.
結果:可視光の挙動を反映したオパシティカーブは認識しやすい画像を作成する上で重要であること、目的別のオパシティカーブが必要であることが確認できました。業務環境的には、複数のスタッフが複雑な操作を活用できる環境となりました。
考察・結論:システムとして作られるVR(Volume Rendering)像は、可視光の物体表面での反射や(表面化)散乱を正確には反映しきれていない為、これを修正することで認識しやすい画像となります。必要なオパシティカーブを事前に作成しておくことで日常での運用が可能となります。画像処理は主観的な部分も多く、議論はあまり行われていませんが調整次第で認識しやすい画像を提供できます。また、通常の画像処理では心内腔像や血管内腔像は観察できませんが、特殊な処理として、造影剤が見えないように軟部組織は見えるよう(+色の変化も考慮)に調整することでVSDの位置や三尖弁の動き等を観察可能になります。実際の画像を供覧します.