[I-P09-05] 多孔性筋性部心室中隔欠損の詳細な構造評価においてMDCT 3D再構成画像が有効である
Keywords:muscular VSD, MDCT, 3D reconstruction
【背景】Multidetector-row computed tomography(MDCT)撮像と3D再構成画像処理技術の向上により、鮮明な心内構造の描出が可能となっている。【目的】多孔性筋性部心室中隔欠損(mmVSD)の詳細構造をMDCTの3D再構成画像を用いて評価する。【方法】mmVSD評価を目的にMDCTを施行し、3D再構成画像を作成した3症例について、治療方針や診断への影響を検討した。画像はSiemens社SOMATOM Definition Flash Dual source CTで撮影したボリュームデータを元にZiostation2で作成した。異なるopacity curveからなる2種類の画像を重ねることでVSDの位置をより正確に把握出来る工夫を行なった。【症例】症例1: 1歳、CoA、VSD、CoA repair+PA banding後。CTでmmVSDはtravecular portionに複数個認め、mid travecular portionのVSD全面を横切る大きな肉中を確認。症例2: 6歳、DORV、PS、心内修復術後の残存mmVSD。CTでtravecular portionに小欠損とLV outletからRV inlet自由壁方向へと抜ける大欠損を確認した。症例3: 1歳、CoA、 VSD、CoA repair+PA banding後。CTでmmVSDはtravecular portion、marginal、outletに認め、全てのVSDに交通があり心室中隔構造も粗造だった。症例1,2は手術可能と判断し外科的閉鎖術を施行。術中所見でmmVSDの位置はCT所見と一致した。症例3はCT所見からmmVSD構造が複雑であり、体重増加を待って外科的閉鎖を行う方針とした.【まとめ】MDCTによる3D再構成画像によりmmVSDの詳細な構造評価が可能であり、治療方針の決定や外科的閉鎖術の戦略構築に有用である。