[I-P12-03] 18トリソミーの1年生存因子に関する検討
Keywords:18トリソミー, 予後, 動脈管
【背景】18トリソミーは高率に先天性心疾患を合併し、その生命予後の短さから積極的な治療介入は行われてこなかった。しかし近年、外科手術を含めた積極的治療は生命予後延長に有用であるという報告が増加しており、長期生存を目指すことができるようになってきている。
【目的】当院における18トリソミーにおける予後、それに関わる因子を明らかにし、より良い治療介入を検討する。
【対象と方法】 2008年10月~2018年10月に当院で出生した18トリソミー29例のうち、治療介入の希望がありNICUに入院した12例を対象とした。1年以上生存した群7例と、1年未満で死亡した群5例に分類し、周産期的背景や合併奇形、治療介入、予後について診療録に基づき後方視的に検討した。
【結果】12例全例に先天性心疾患を認めた。内訳は高肺血流型心疾患が11例(largeVSD/DORV 10例、smallVSD+ASD+PDA 1例)と全体の9割を占め、ファロー四徴症が1例であった。全症例の1年生存率は58%、3年生存率は50%であった。1年生存群と非生存群の比較では、周産期的背景や入院中の治療内容に有意差は認めなかった。1年非生存群では動脈管開存を合併している症例が80%と、1年生存群14%に比して多い傾向があった(p=0.07)。そこで、動脈管開存群7例と閉鎖群4例に分けて検討すると、動脈管閉鎖群は有意に在宅移行率が高く(p=0.04)、生命予後が良好である傾向があった(p=0.08)。
【考察】18トリソミーは、DORVやlargeVSDなどの高肺血流型心疾患を高率に合併し、肺高血圧が進行しやすい。動脈管開存症を合併することにより、肺高血圧の進行がさらに早まる。これは18トリソミーの呼吸障害にも影響を与え、呼吸器感染症の重篤化などにより、生存期間を短くする可能性がある。
【結論】動脈管開存を合併している18トリソミーにおいては、内科的閉鎖療法や外科的閉鎖術をより積極的に考えることで、長期生存に繋げられる可能性がある。
【目的】当院における18トリソミーにおける予後、それに関わる因子を明らかにし、より良い治療介入を検討する。
【対象と方法】 2008年10月~2018年10月に当院で出生した18トリソミー29例のうち、治療介入の希望がありNICUに入院した12例を対象とした。1年以上生存した群7例と、1年未満で死亡した群5例に分類し、周産期的背景や合併奇形、治療介入、予後について診療録に基づき後方視的に検討した。
【結果】12例全例に先天性心疾患を認めた。内訳は高肺血流型心疾患が11例(largeVSD/DORV 10例、smallVSD+ASD+PDA 1例)と全体の9割を占め、ファロー四徴症が1例であった。全症例の1年生存率は58%、3年生存率は50%であった。1年生存群と非生存群の比較では、周産期的背景や入院中の治療内容に有意差は認めなかった。1年非生存群では動脈管開存を合併している症例が80%と、1年生存群14%に比して多い傾向があった(p=0.07)。そこで、動脈管開存群7例と閉鎖群4例に分けて検討すると、動脈管閉鎖群は有意に在宅移行率が高く(p=0.04)、生命予後が良好である傾向があった(p=0.08)。
【考察】18トリソミーは、DORVやlargeVSDなどの高肺血流型心疾患を高率に合併し、肺高血圧が進行しやすい。動脈管開存症を合併することにより、肺高血圧の進行がさらに早まる。これは18トリソミーの呼吸障害にも影響を与え、呼吸器感染症の重篤化などにより、生存期間を短くする可能性がある。
【結論】動脈管開存を合併している18トリソミーにおいては、内科的閉鎖療法や外科的閉鎖術をより積極的に考えることで、長期生存に繋げられる可能性がある。