[I-P16-02] 経皮的心房中隔欠損閉鎖術におけるocclusion testの意義
Keywords:経皮的心房中隔欠損閉鎖術, occlusion test, PAWP
背景・目的: 経皮的心房中隔欠損閉鎖術を行う際にocclusion test (OT)で閉鎖後の血行動態を推察することがあるが明確な定義はない。目的はOT中と閉鎖術後の圧を比較しOTの意義を検討すること。対象・方法: 2011年8月から2019年2月に当院で経皮的心房中隔欠損閉鎖術中にOTを行った21例 (男/女 7/14例、中央年齢68歳 (15-87歳))について、Qp/Qs、ASD径、デバイス径、OT前、OT中の肺動脈楔入圧 (PAWP)、LVEDP、LV -dp/dtを調べ、閉鎖後PAWPとの関係を後方視的に検討した。Figullaを留置した症例は1例で他はAMPLATZERが留置されていた。AFは3例に合併し、術前後に強心剤を使用した症例や術後に肺うっ血を来した症例はなかった。結果: 中央値 (範囲)として、Qp/Qs 2.4 (1.4-4.3)、ASD径 18.4mm(14.3-34.3)、デバイス径 18mm (13-36)、OT前PAWP 8mmHg (3-13)、OT中PAWP 10mmHg (1-24)、LVEDP 10mmHg (5-10)、LV -dp/dt 911mmHg/s (161-1679)、閉鎖後PAWP 8mmHg (1-18)であった。閉鎖後PAWPに関連する因子はOT前PAWP (p < .0001)、OT中PAWP (p < .0001)、LVEDP (p = .003)で、Qp/Qs、ASD径、デバイス径、LV -dp/dtは関連がなかった。また、閉鎖後PAWP = 1.31 + 0.61×OT中PAWPで表すことができ、OT中PAWPが最も低値であった1例を除き、全例がOT中PAWPの方が閉鎖後PAWPより高値であった。結語: OT中PAWPにより閉鎖後PAWPを推測することができる。また閉鎖後PAWPは閉鎖前LVEDPと関連する。