第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療

ポスターセッション16(I-P16)
カテーテル治療 1

2019年6月27日(木) 17:40 〜 18:40 ポスター会場 (大ホールB)

座長:萱谷 太(大阪母子医療センター 小児循環器科)

[I-P16-03] 心房中隔欠損症のカテーテル治療における心房中隔の傾斜が及ぼす影響:主観と客観

鍵山 慶之1,2, 家村 素史1,2, 須田 憲治2 (1.聖マリア病院 小児循環器内科, 2.久留米大学 小児科)

キーワード:心房中隔欠損症, デバイス角度, 心房中隔角度

【背景】経皮的心房中隔欠損閉鎖術:TC-ASDの際に心房中隔の傾斜角はあまり注目されないが、心房中隔が脊柱と平行に近い患者ではデバイスの大動脈側がslipしたりリリース後にデバイス形態が変化することを時に経験する
【目的】心房中隔の傾斜角をデバイスから推定し、その原因と影響を評価する
【方法】対象:当院で過去5年間に施行したTC-ASD連続 102例からflare形態のデバイス、心房中隔瘤などを除外した73例。治療時の臥位側面像から立位時の水平線を仮定した線と左右discの角度(La、Ra)を計測し、経食道エコーでのデバイスの大動脈への干渉(0:接触なし、1:接触、2:flare形態に大動脈を把持、3:大動脈を圧迫)、患者属性など後方視的に検討した
【結果】年齢は3~78歳、欠損孔最大径は5~30.4mm、デバイスは6~34mm、ASO 55/OFF 18例。最終的なデバイス角度はRa 39.4~92.8度、La 40.4~96.3度。リリース前後の比較では、disc角度変化はASO群(Ra変化29.5:8~50.9、La変化19.6:-9.8~42.6)、OFF群(Ra変化20.5:-3.5~34、La変化10.1:2.2~26.8)間に有意差を認め、disc間の角度(La-Ra)は-1~40.7度から-0.2~16.9度に変化し、TEE所見は8例(2→1が2名、2→0が3名、1→0が3名)で変化した。デバイス角度は年齢(vsRa: r=-0.62、vsLa: r=-0.57)と負の相関を認め、Disc間角度の変化はデバイス種類で差はなく年齢と負の相関(r=-0.38)を認め、TEE所見が変化した群において有意に大きかった
【考察】若年者では心房中隔は脊柱と平行に近く、リリース前後でのdisc間の角度変化が大きくなる。Disc毎の角度変化はOFF群ではASO群より小さいが、OFFでも比較的大きく変化する症例もあった。Disc間の角度変化は予期せぬ最終形態の変化につながる可能性があり、治療時に留意する必要がある