[I-P17-03] 心房中隔欠損閉鎖栓を用いたフォンタン開窓閉鎖 -Figulla Flex IIのアドバンテージ-
キーワード:Fontan , fenestration closure, Figulla Flex II
【背景】フォンタン開窓の経皮的閉鎖術は、慢性期の開窓フォンタン患者において、血行動態が良好かつ試験閉鎖結果が適切であれば、IIaの推奨となっている。しかし、閉鎖デバイスの適正な選択基準は定まっていない。【症例】4歳、体重14kg、左心低形成症候群。2歳11ヶ月で心外導管による開窓フォンタン手術(導管径16mm)を施行された。術後、動脈血酸素飽和度が80%台前半で推移し、フォンタン開窓閉鎖の目的で当院に紹介となった。心臓カテーテル検査で、動脈血酸素飽和度は87%、肺動脈圧は10mmHg、開窓径はエコーで6mmであった。バルーンカテーテルによる開窓閉鎖試験で、酸素飽和度は94%に上昇、血圧低下はなく、肺動脈圧は12mmHgにとどまり、開窓閉鎖の適応ありと判断した。本邦で入手可能な心房中隔欠損閉鎖栓の最小サイズはASO、Figulla Flex II(FFII)とも6mmである。16mmの導管に6mmのASOを留置した場合14mmある右房側ディスクの突出が問題になることがあり、通常4mmが使用される。一方、同サイズのFFII左右心房側ディスクの大きさは16.5mm, 12.5mmで、ASO 4mmとの差は0.5mmである。FFIIでは16mmの導管にも突出が少なく、また、左房側にハブがなく柔らかいため心外導管壁の湾曲にコンフォームしやすいと予想されることなどから、FFIIを用いて閉鎖を行った。閉鎖栓留置後、導管内での圧較差を認めず、造影でも血流の停滞がないことを確認して手技を終了した。【まとめ】フォンタン開窓の経皮的閉鎖術には、ASOやAmplatzer duct occluder IIが使用された報告が散見されるが、FFIIを用いた報告は見当たらない。小径の心外導管を用いたフォンタン術後患者では、左右心房側ディスクのサイズが小さくハブを持たないFFIIに導管血流への影響の点で優位性がある。