[I-P17-05] 純型肺動脈閉鎖に合併した両側冠動脈瘻の段階的カテーテル治療
Keywords:冠動脈瘻, カテーテル治療, 閉鎖試験
【はじめに】純型肺動脈閉鎖 (PAIVS) に合併した両側冠動脈瘻 (coronary artery fistulas: CAFs) による進行性の右室拡大症例の段階的カテーテル治療. 【症例】生後PAIVSと診断. %RVEDV 26%NおよびRCA-RV, LAD-RVのCAFsを確認. RVDCCの判断で生後1か月Rt modified BT施行. 生後5か月に%RVEDV 94%Nに拡大, meanPAp 11mmHg, PVRI 1.6WU・m2でGlenn手術を施行した. その後もCAFsはto&fro血流でRVは進行性に拡大し, 右室内に巨大血栓を認めheparin, warfarinで加療した. 生後10か月に両側CAFsおよび%RVEDV 169%Nの拡大進行. 選択的LCAGで末梢まで描出し狭窄はないと判断し両側CAFsに対する塞栓術の方針とした. CAFsの病型はLAD-RVはproximal CAF, RCA-RVはdistal CAFでocclusion test併用による段階的カテーテル治療を行った.【カテーテル治療】1. LAD-RV CAF (13か月): LADからの紡錘状fistulaで開口部はcaliber changeを形成. Guard-Wire occlusion balloonで閉鎖試験行い, AOP, PAP, ECGに異常がないことを確認した. 4Fr wedge pressure balloonでRV側をocclusionしながらcoil embolizationを行い完全塞栓した. 2. RCA-RV CAF (14か月) : RCA#2, #3, #4からfistulasあり. #2は細いfistulaがfan-shape状,#3はaneurysm状,#4は2本のfistulasがいずれもfan-shape状にRVに開口し1本は正常な血管分枝を認めていた. #2#3 fistulasは明らかな正常血管分枝がないことを確認, #4の血管分枝のある1本のみがocclusion testでV5,6のST上昇を来した. #3はcoil塞栓で完全閉塞. #4の1本のcoil塞栓は完全閉塞に至らなかったが流入血流は減少した. その後の手術介入で#2のfistulaは結紮した. 段階的に右室容量は減少しており今後フォンタン手術を予定している. 【まとめ】進行性の両側CAFsに対するocclusion test併用の段階的コイル塞栓治療は有効である.