[I-P18-03] 運動誘発性で失神を認めた心室頻拍に対して高周波カテーテル心筋焼灼術で根治した一例
Keywords:失神, トレッドミル検査, 心室頻拍
【症例】11歳、女児【主訴】意識消失、痙攣【家族歴】母が心室期外収縮(以下PVC)【現病歴】小学校6年生時、学校にて全力疾走で階段を駆け上がり教室入室時に突然倒れ、眼球偏位、全身間代性けいれんを1分間認めた。その後10分程度の意識消失を認め、精査目的に前医受診。頭部MRI、脳波検査には異常を認めず、心臓超音波検査も異常を認めなかった。トレッドミル運動負荷試験で負荷量増加に伴いPVCが出現、Holter心電図検査で心室頻拍(以下VT)を認めたため、プロプラノロール塩酸塩内服治療を開始し、高周波カーテル心筋焼灼術施行目的に当院紹介となった。【検査】トレッドミル運動負荷試験で負荷量増加に伴いPVCが出現・頻度が増加し、VT出現したため負荷終了した。負荷終了直後に眼前暗黒感出現し、転倒、その時の心電図では最小RR間隔205msecの単源性非持続性のVTを繰り返し認めた。Holter心電図では階段の昇降時に単源性非持続性のVTを認めた。【治療】l-イソプレナリン塩酸塩負荷にてPVCおよびVTが誘発され、高周波カテーテル心筋焼灼術施行にて誘発不能となった。術後も再発なく経過し根治した。【考察】学童期に発見されたVTの90%は自然軽快すると言われ、治療を有しない症例が多い。しかし症状を有する特発性心室頻拍の予後に関してははっきりとした報告はないが、心室拍数が速く血行動態に破錠を来すVTは予後が悪いと考えられる。今回我々は運動誘発性で失神を認めたVT症例を経験、高周波カテーテル心筋焼灼術が有効であったので報告する。