第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション19(I-P19)
電気生理学・不整脈 2

2019年6月27日(木) 17:40 〜 18:40 ポスター会場 (大ホールB)

座長:塩野 淳子(茨城県立こども病院 小児循環器科)

[I-P19-01] Speckle tracking法によるWPW症候群の心室非同期と心機能評価の検討

秋本 智史, 福永 英生, 井福 真友美, 磯 武史, 細野 優, 矢崎 香奈, 松井 こと子, 高橋 健, 秋元 かつみ, 稀代 雅彦, 清水 俊明 (順天堂大学 小児科・思春期科)

キーワード:WPW症候群, dyssynchrony, ストレイン

【背景】顕在性WPW症候群では頻拍発作イベントを認めない症例でも、副伝導路を介した心室興奮が非同期(dyssynchrony)を来し、typeB及びtypeCの一部は心機能低下から拡張型心筋症様変化に至る可能性が推測されている。【目的】ストレイン解析を用い、WPW症候群における左室心機能の特徴を評価する。【方法】対象はWPW症候群22例(typeA群14例(W-A群)、typeB及びC群10例(W-BC群))および正常対照群40例(N群)。胸骨傍短軸像より左室の心基部、乳頭筋部、心尖部レベルの円周方向Strain(CS)および中心方向Strain(RS)、心尖部四腔断面像より長軸方向Strain(LS)を計測した。短軸像の各segmentのRSのピーク値までの到達時間の標準偏差をdyssynchrony指標とした。【結果】年齢はW-A群:12.8±2.9歳、W-BC群:15.5歳±5.8歳、N群:14.6±5.1歳。各群で左室駆出率に有意差は認めなった。心基部CS(中央値-16.1 [-11.0 - -22.4]% vs. -13.0[-10.3 - -24.2]% vs. -17.6 [-12.9 - -23.1]% P=0.014)及びLS(平均値 -16.5±2.4% vs -14.1±2.9% vs -16.8±2.1% P=0.009)はW-BC群のみで低値を示した。W-BC群において、乳頭筋レベルのdyssynchronyが心基部CS(ρ=-0.469, p=0.021)およびLS(ρ=-0.487, p=0.019)と相関した。【結論】WPW症候群のtypeB及びC群では、心基部CSおよびLSがdyssynchrony指標と相関し低下し、心機能低下初期を捉えている可能性がある。