[I-P19-01] Speckle tracking法によるWPW症候群の心室非同期と心機能評価の検討
Keywords:WPW症候群, dyssynchrony, ストレイン
【背景】顕在性WPW症候群では頻拍発作イベントを認めない症例でも、副伝導路を介した心室興奮が非同期(dyssynchrony)を来し、typeB及びtypeCの一部は心機能低下から拡張型心筋症様変化に至る可能性が推測されている。【目的】ストレイン解析を用い、WPW症候群における左室心機能の特徴を評価する。【方法】対象はWPW症候群22例(typeA群14例(W-A群)、typeB及びC群10例(W-BC群))および正常対照群40例(N群)。胸骨傍短軸像より左室の心基部、乳頭筋部、心尖部レベルの円周方向Strain(CS)および中心方向Strain(RS)、心尖部四腔断面像より長軸方向Strain(LS)を計測した。短軸像の各segmentのRSのピーク値までの到達時間の標準偏差をdyssynchrony指標とした。【結果】年齢はW-A群:12.8±2.9歳、W-BC群:15.5歳±5.8歳、N群:14.6±5.1歳。各群で左室駆出率に有意差は認めなった。心基部CS(中央値-16.1 [-11.0 - -22.4]% vs. -13.0[-10.3 - -24.2]% vs. -17.6 [-12.9 - -23.1]% P=0.014)及びLS(平均値 -16.5±2.4% vs -14.1±2.9% vs -16.8±2.1% P=0.009)はW-BC群のみで低値を示した。W-BC群において、乳頭筋レベルのdyssynchronyが心基部CS(ρ=-0.469, p=0.021)およびLS(ρ=-0.487, p=0.019)と相関した。【結論】WPW症候群のtypeB及びC群では、心基部CSおよびLSがdyssynchrony指標と相関し低下し、心機能低下初期を捉えている可能性がある。